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意図的な取引先支払遅延と後付減額要請で、英最大スーパーのテスコが利益大幅水増し - BBC, WSJ, FTほか (2016-02-04) | ||
昨年、日本での購買が関連する不祥事の代表例は東芝でしたが、英国では総合小売チェーンのテスコ(売上高世界第3位)が大きな問題になっていました(日本ではあまり報じられませんでしたが)。 2014年10月から不正会計の疑いで英・重大不正捜査局が操作し、その結果経営幹部9人が辞任しました。そして、2015年2月からはその不正会計の大部分を占める支払操作の実態調査が公的オンブズマン機関により進められてきました。 その結果が、2016年1月26日に、様々なメディアで一斉に報道されました。 主要な判明事項は以下: ・当初の想定のように、インプットミスに起因して支払が前後しているケースもある。 ・しかし、意図的な支払遅延も多々発生。 あるサプライヤーは2年以上も支払が行われなかった ・支払遅延中サプライヤーに、商品陳列場所の優遇をエサに減額をもちかける事例あり ・その結果、2.63億ポンド(約450億円)の利益水増しにつながった なお、テスコは昨年秋に新たな支払期限取り決めをサプライヤーに提示し、遵守しているため、過去の不祥事扱いではあります。 しかしそれに対して、1月25日の"The Times"紙は、英国スーパーのサプライヤー支払の7割が支払遅延(平均7.24日)していおり、これは業界としての構造的問題であることを報じています(記事:Suppliers 'routinely kept waiting by supermarkets')。 ======= 支払サイトの長期化は、リーマンショック以降、欧米企業で顕著になり、米国のSupplierPay、英国のPrompt payment codeと政府規制との綱引きになってきました。勿論、日本では下請法が中小企業への支払サイトを定めています。 ただし、支払サイト長期化問題は、これに対する規制ルールがある"国内"であるがゆえに問題になっています。規制ルールが緩い海外の国で行ったら...一部の企業は既に着手し始めています。 海外での支払サイト長期化...2016年の検討機会ともなり、かつ物議の種ともなる可能性をはらんでいる事項と思われます。 ※Supply Managementの記事"What was Tesco thinking?[http://www.cips.org/…/opinion/2016/january/what-was-tesco-…/]も面白い視点を提供しています。 |