調達購買関連 最新トピックス |
調達単価もサプライヤーも公開、徹底した透明性を武器に急拡大するEverlaneというやり方 - Forbes (2016-03-11) | ||
マーケティング的な観点も入り、純粋な購買ネタからは少し逸れるかもしれませんが、ちょうどForbesにも掲載された面白い事例なので紹介してみます(リンク先の項目1です)。 「企業に社会問題の解決を期待しながら、ますます力を強める企業に苛立つという矛盾した態度の「恐るべき消費者(Fearful Consumer) 」が、極端に走る大統領選挙のように目立ってきている。それに対して、企業は徹底した透明性と提供価値の明確な伝達で対応すべきだ」として、3つのやり方を上げるForbesの記事が3月8日に掲載されました。 その事例の1つとして紹介されたのが、調達先もコスト構造も、全部Web上に公開しているオンライン通販専業のEverlane社(https://www.everlane.com/…/p…/mens-flannel-shirt-heathernavy)です。 まず調達先ですが、リンクの図1のようにどのサプライヤーに生産委託しているかをWeb上で公開しています。 もっともこれだけでは、農産物によくある「私が作りました」に似通った策にも見かねません。 しかしさらに特徴的なのは、図2のように商品の原価コスト構造をWeb上に明示した点です。「我社は、これだけのコストと利幅で、デザーナーブランド並の商品を提供するのだから買ってください」と訴求する商法なのです。 これが、米国のミレニアル世代(16~35歳)にうけています。2010年の創業からの僅かな期間で売上を急拡大させています(ただし非上場なので利益は不透明です...時を同じくして、Everlaneがさらなる資金調達を募る模様との報道もありました)。 Everlaneが、大手デザイナーブランドに対して価格の優位性を確保できるビジネス上の特徴は以下です。 ・実店舗を持たない(インターネットのオンラインだけで販売) ・仲介業者を介さず、デザイナーズブランドと々工場と直取引(製造から自社管理) ・在庫を持たない。予め決められた数量を売り切り販売 実店舗を持たないという観点では、ZARAが実店舗を出すペースを落とすとの報道も昨日ありました。オンライン販売重視の姿勢を強めています。 ここ数日透明性(Transparency)について書いてきましたが、購買力をマーケティング力に変えている、企業がその内実を説明することで消費者の共感を呼んでいる面白い事例として取り上げてげてみました。
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