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購買の注目度が再び高まる、コスト削減がトップ課題に返り咲くも、アジリティ(俊敏さ)の重要度が上昇 - ハケット年次レポート (2016-03-12)

2016年のThe Hackette Groupの購買重要課題レポート"The CPO Agenda:Reduce Purchase Costs, Improve Agility,and Become a Trusted Advisor"が発表されました。このレポートは様々なトレンドレポートの中でも特に注目度が高く、多くの購買部門が重視しているものです。

このレポートでの注目点は以下と考えます。

・購買予算と人員数の増加が引き続き継続しています。リーマン以降2013年まで、購買予算も人員も毎年削られていく傾向がありましたが、この傾向が逆転しました。各企業とも購買部門の強化に再び乗り出してきています。

・しかし、重点課題は変わってきています。「コスト削減」がトップ課題に返り咲きました。それと同時に「信頼されるアドバイザーへの地位改善」と「俊敏さの改善」の重要度がさらに増加したにもかかわらず、これらへの対応力不足が継続しています。 (筆者注:この背景には、事業環境変化速度増加に伴い、それに追随できる購買能力が求められながら、対応できていないことがあると考えます。Googleの購買部門が昨年クローズアップされたのも、この点で各社がベンチマークする必要に駆られてのことと認識しています)

・重要課題については、コメント欄に掲載した表1:重要課題の優先順位(2015年と2016年の対比)、図1:対応不足課題の明確化-実行能力と重要度マトリックスも参照ください

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以下に購買重要課題レポートレポートのExective Summary部分を翻訳します。

ハケットグループの年次主要課題調査は、上級管理職の視点から、2016年の購買エグゼクティブのトップ業務課題を明らかにするものです。購買部門リーダーたちは購買部門予算は1.1%の増加を見込むとともに、4つの高優先順位領域での業務変革に注力し、2016年の実施成果の最大化を考えています。

重要な要点:
・信頼されるアドバイザーになる、俊敏性の(アジリティ)の改善、支出への影響力強化、サプライヤでのイノベーション促進の4つの優先度上位項目は、重要性が高いと評価されながらも、幾つかの購買部門では実施能力に乏しく、その能力開発が重要目標になっています。
・2016年、購買部門はコスト削減と信頼されるアドバイザーになることの2つに、同程度の重要度を見ています。これらへの対応の適正バランスをどう見出すかは、購買部門の大きな取り組み課題になりえます。
・能力ギャップを狭めるために、購買部門ではビッグデータの活用、および新世代スタッフの既存チームへの融合に取り組んでいます。

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また、Supply & Demand Chain Exectiveは、3月9日~10日に開催された"Americas’ Congress 2016"で語られたと思われるハケットグループ購買部門リーダーの Chris Sawchuk氏のインタビューを以下のように掲載しています。

「2016年には事業環境の不確実さとリスクが増加し、売上増に向けたさらに努力が必要になると、企業は見込んでいる。それゆえ、コスト削減の圧力が増加している。同時に、購買部門リーダーは、コスト削減と他の戦略的課題(戦略面でのビジネスパートナーになるなど)との優先順位のバランスを取る必要がある。2016年には購買予算は1.1%増、要員数は2.2%しか増加が見込まれていないので、これはなかなか大変なことだ。購買部門は優先順位が高い項目のみに対応することになろう。
調査で明らかになった過去との違いは、マーケットインテリジェンスの改善に関する価値認識だ。購買部門リーダーは、高品質の情報がビジネス価値創造に大いに役立つことを認識している。様々な情報源から大量の構造化および非構造化データを迅速にモデル化するという前例ない能力を顧客分析で提供することで、ビッグデータはゲームチェンジャーになった。しかし、購買部門ではマーケットインテリジェンスの使いこなし能力が十分でない。これは克服すべき重大な障害になる。」

このインタビューを含む記事のURLは以下になります
http://www.sdcexec.com/news/12180313/as-business-uncertainty-rises-procurement-faces-2016-balancing-act

購買の注目度が再び高まる、コスト削減がトップ課題に返り咲くも、アジリティ(俊敏さ)の重要度が上昇 - ハケット年次レポート #COBUY...

It's購買系さんの投稿 2016年3月11日