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広告・マーケティグ購買に居場所はあるのか、ペプシコは廃止したけれど-4C Associates (2016-04-19)

英国の購買コンサルティング会社 4C Associatesが広告・マーケティング領域を例に、購買部門は専門領域にどう関与すべきかとの投げかけを行っています。以下のような事実・課題が語られています。

・昨年末、ペプシコの広告・マーケッティング購買部門廃止という襲撃が走った
・広告業界の多くは、購入品の特性に配慮しない、型にはまった購買プロセスにうんざりしている
・特に、新しいデジタルマーケッティングへの迅速かつ柔軟な対応についてこない

同社では、昨年末にペプシコ(広告・マーケッティング支出の超大手)がこの分野の購買部門を廃止したことなどを今年の第1四半期に何回も取り上げてきました。それがSpend Mattersに記事が掲載され、かつ5月5日21:30(日本時間)に、"Is this the end of marketing procurement?"という題でWebセミナー(Webinar)を実施するとのことで、本格的に取り組んでいきそうです。
直接材購買では欧米よりもユーザー密着での業務を行っている日本の購買部門ではありますが、間接材となると同様な課題(事情をわかってくれない、型にはまったやり方など)がありうるのではと考えます。

Webinar:"Is this the end of marketing procurement?"の案内URLは以下。
http://www.4cassociates.com/4c-webinar-end-marketing-procurement/

※英国で開催のため、時差の関係でも日本時間でもそれほど深夜になりません。
 もしよろしければ、申し込んでみてはいかがでしょうか。

また参考に、2月にペプシコの広告・マーケッティング購買部門の解散を取り上げたブログ記事を翻訳してみました。記事原本のURLは以下。
http://www.4cassociates.com/marketing-procurement-and-the-death-of-the-generalist/

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ジェネラリストの終焉?これはマーケッティング購買に当てはまるのか? (Death of the generalist? Is this true for marketing procurement?)
2016年2月9日 Milan Panchmatia and Emanuel Modrovic

ペプシコがグローバル広告・マーケッティング購買部門の解散を発表したが、4C AssociatesのMilan PanchmatiaとEmanuel Modrovicとで、スペシャリストの台頭について検証してみた。

多くの業界では、伝統的なキャリアパスとは、時間の経過につれて昇進していくものと考えている。そして上昇軌道を描くにつれて、徐々に組織の広範囲に対するリーダーシップを発揮することが期待される。
例えば、マーケッティング部門のディレクターは、全体戦略を設定し、成功の基準を定義して、そのビジョンを経営会議に売り込むことを期待される。さらに、ディレクターは各マーケッティングチャネル、およびそこでどうすればベストプラクティスになれるのかに関する相応の知識を持つことも期待事項だ。
しかし、テクノロジーが進歩し続け、顧客に至るチャネルがどんどんと増加するにつれて、全知のジェネラリストという理想形が色褪せ始めた。多様な方式があるマーケッティングは、まさにその好例だ。例えば、従来からのTVおよび印刷広告の世界と、デジタルマーケティングのデータ重視の世界では、大きく隔たりがある。
その結果、購買チームがコスト削減に焦点を合わせ、従来同様のソーシングプロセスを行おうとすると、スピードと柔軟性が犠牲になる。加えて、カテゴリーおよびその複雑性への深い知識が、真の価値を生み出すに必要だ。それゆえ、この領域はジェネラリストが手を出せる領域ではない。

ペプシコのグローバル広告・マーケティング購買部門は消滅した

ペプシコがグローバル広告・マーケッティング部門の解体を最近発表したことは、大きな論議を呼んだ。今後、代理店支出およびその他の活動への責任は、社内の個別ブランドに移行される。
この変更は、組織効率を改善し、昨今のマーケティング環境で成功するに必要なスピードと柔軟性を確保を意図している。それは、集中購買組織と相容れないものなのだろう。
この動きが、ペプシコが代理店とやり取りする仕方を急激に変え、そして企業での集中購買部門の価値の議論に火をつけるのではと考えられている。ドリトス、ペプシコ、ゲルトレードといったブランドは独自の購買業務チームを任命することはない。その代わり、責任は各ブランドのエグゼクティブに帰することになる。これは、購買業務が購買担当者によって扱われる必要がなくなることを意味している。

スペシャリストの勃興

マーケティングは、独特なカテゴリーである。提供価値が常に金銭的に測れるとは限らず、それが従来通りの購買部門とマーケッティング部門の間の争いの根本の1つとなってきた。
実のところ、専門的な部門は専門家を必要とするのである。業界知識を持ち、ブティック型代理店の、費用に代えられない提供価値を理解する誰かをだ。
つまり、専門知識を持つ専門的な購買担当者が、今後真の価値提供を行っていくにつれて、彼らを求める声が高まっていきそうなのである。
反対に、汎用的な(専門的ではない)ジェネラリストは、その存在を正当化するのがますます難しくなっていくだろう。最終的には、きっとこんなふうに言われるようになるのだろう。(ジェネラリストによる)購買は終わった。(専門家による)購買は続くが。