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購買の悪童と呼ばれて何十年、GMがやり方を変える-Supply Chain Digest (2016-06-22)

Supply Chain Digestは、2016年6月21日付でGMの購買方式の変化を記事にしました。

主な内容は以下になります。

・米国の自動車メーカー、特にGMは、サプライヤーの採算など考慮に入れず、価格と取引条件叩きをしてくるのとの評判があった。

・この施策を推し進めた代表的人物は、1990年代にGMの購買トップを務めたイグナシオ・ロペスであり、強硬なコスト削減の連続により、就任初年の1991年には11億ドル、1993年には24億ドルのコストカットを達成している。

・このような自動車メーカーの強硬策は、2000年台になって、2006年のCollins & Aikman倒産によるフォードへの部品出荷停止や、2008年のNavistarのフォードへのエンジン出荷停止を招くなどに至っていた。

・しかし、6月17日のWall Street Journalの記事によると、現在はもっと協調的なやり方を考えている。

・記事によると、GMは米国のサプライヤー400社と、原材料価格や為替変動を反映する定期的な契約交渉を行うようになったと、GMのCPOであるスティーブ・キーファーは語っている。

・これにより、今後の10年でのグローバル生産(メキシコ、ブラジル、インド、中国など)での、サプライヤー倒産などによる供給断絶リスクの削減が意図されている。

・キーファーはWSJのインタビューで、例えば経済混乱が続くブラジル市場に対して次のように語っている。「しかし我々はブラジル市場に注目しており、そこでうまく事業展開できるようにサプライヤーと協力してやっていきたい」。

・サプライヤーとのコラボレーションには長期契約や設計への早期参画の実施も想定されている。

・トヨタなどに比べ、Planning Perspectives社のサプライヤー好感度調査で低順位に甘んじていたGMのこの変化への評価は、数年後に明らかになるであろう。

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※WSJ記事"GM Loosens Terms for Some Parts Suppliers(2016年6月17日)"のURL:
http://www.wsj.com/articles/gm-loosens-terms-for-some-suppliers-1466185855

※The Strategic Sourcerorの上記WSJ記事に関する記事"GM giving suppliers more contract flexibility"のURL:
http://www.strategicsourceror.com/2016/06/gm-giving-suppliers-more-contract.html

※Planning Perspectives社の調査結果に関するIt's購買系の投稿のURL:
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/1175374025827173