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事業ニーズに喰らいついていく迅速さこそが、これからの購買の"命"だ-Hackett Group (2016-07-24)

調査会社Hackett Groupの新しいレポート"企業の迅速さ実現の貢献役として購買)(Procurement’s Role in Enabling Enterprise Agility)が7月15日に発表されました。

このレポートでは、以下のような購買業務を何も語らなず、およそサマリーになっていない文章から始まって、購買部門がもはやコスト削減のためのゲートキーパーではなく、より事業密着での価値生成部門にならなばならないという、Googleの購買部門に注目が集まるような、2010年代の購買の役割論に沿った論調が展開されていると思います。

ただし、サマリーが不十分なように購買業務の観点に完全に落ちきってはいないため、今後のレポートによる拡充が求められると思います。

==(記述内容をざっくりとサマリーすると...)==

■現在の企業の生死を決するのは、企業の迅速さ(Enterprise Agility)である。
高い不安定さ、テクノロジーによってもたらされるイノベーション、ハイパー競争下の市場環境のうねりにより、ビジネスの変化の比率はかつて無いほどに加速している。このような環境下での成功要因、あるいは生き残り要因となるのが、企業の迅速さ(アジリティ)である。迅速性を有する企業(Agile enterprise)は、外部環境変化の比率に合わせて自己変革を行っていくことができる(エグゼクティブサマリーの翻訳)。

■3つの観点から急速な外部環境の変化が発生している
図1の3つ、すなわち「極度な不安定さ」、「破壊的イノベーション」、「ハイパー競争」により、従来にない速度で外部環境の変化が発生している。

■外部変化に対応するイノベーションの創出が必要と考えれている
これに対して、図3のように従来の延長にない、イノベーションが求められるようになっている。

■4つの属性が外部環境変化に対応して自社を変化させるキーポイントになる
以下の4つの属性が、迅速性を有する企業になるに重要であり、購買部門もこれに貢献できなければならない(図5も参照)
#1:情報に基づいた先見的な意思決定
#2:デジタル価値ネットワーク
#3:事業部門(要求元)主体
#4:事態対応力
#1:情報に基づいた先見的な意思決定

図35のような情報を使いこなし、そこから何を行ったらよいかを"感じ取っていく"能力が購買部門にも求められる。そのためには、情報収集・活用基盤を構築し、それを使って事業課題の解決策を考案できる能力が求められるようになる。

#2:デジタル価値ネットワーク
全体が一貫してデジタル化したサプライチェーン上の一部となる購買業務でも効率的で迅速な業務を行えるようになるとともに、情報で結びついた他部門とのコラボレーション(開発作業への共同参画)などにも対応しなければならない。

#3:事業部門(要求元)主体
コスト削減ののゲートキーパーといった独立的な監視役ではなく、より事業に寄り添って、事業価値創出に貢献する姿勢をとることが求められる

#4:業務実施上の事態対応力
変化に"読み"を効かせるとともに、事態が発生したらそれに迅速に対応できる能力が求められる。

※図はコメント欄に添付しました。