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下請法違反 監視強まる~公取委、指導最多「買いたたき」に的-日本経済新聞 (2016-08-29)

29日の日経新聞朝刊17面(法務面)に下請法違反に対する公正取引委員会の監視が強化されていることが掲載されています(8月11日には、中小企業庁が知財・金型に今年重点取組との日刊工業新聞の記事があり、報道が相次いでいます)。

先週末にもファミリーマートの支払代金減額の違反が報道されましたが、過去最高となった2015年の取締件数5980件のうち、支払遅延や支払減額ではなく、買い叩きが数多く問題となっているとの報道がされています。

さらに、大企業が稼ぐ多額の利益が下請け企業にもっと環流すれば、アベノミクスが目指す賃上げを喚起するとの理由で、政府が「下請け企業の取引条件の改善に官民で取り組む」としている方向性があり、従来よりも買い叩き判断の許容値が低くなっている傾向が語られています。

買い叩きとみなされる事例として、「発注数量が減ったのに単価は据え置かれたままだった」場合が例として引き合いに出されるとともに、「原材料価格上昇など理由が明確な値上げ要請を発注企業が協議なしに拒絶すれば、買いたたきに当たる可能性がある」との中小企業庁セミナーでの説明があったとの報道もされています。

さらに関係省庁がチームを組んで、大企業の調達責任者と順次面談、下請けとの取引実態の把握に乗り出していることも語られています。

そしてこのような傾向に対して、下請け対策の見直しを検討する大企業が増えている、例えばキリンは、燃料価格の変動と支払運賃を連動させる取り決めを導入している。このような原材料価格などと連動して取引価格を決める、従来は取っていなかった方式の検討の必要性を説明しています。