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優秀な購買部門が実施する5つの重要施策~購買人数・予算は増加傾向も、トップと平均の購買組織業績格差が拡大-Hackett Group (2016-09-28)

購買人材の離職引き留め策が重視されるようになっている(Procurement Specialists Focus on Talent Retention)という記事が、9月26日のSupply Chain Management Reviewに掲載されました。

この記事の元になったのが、毎年Hachett Groupが調査を継続している購買の各種パフォーマンス指標レポートの2016年版です。2016年版は "より優れた購買業務のアジリティを作り出すための5つの重要事項(Five Imperatives for Creating Greater Procurement Agility)というタイトルで7月に発表されました。

その内容をサマリーしてみます。

=全体的な傾向=

・2013年ごろの予算・人員の両方を削減する傾向から、両方とも増加傾向に転じた。2016年は人員で2.2%、予算で1.1%の前年比増(図3)。
・ROI(購買業務での効果(支出削減+効率化)÷購買部門運営コスト)は、微増もほぼ横ばい。ただし、世界ベスト水準の購買組織のROIは9.74に対し、平均的な組織は4.84で、倍の差が依然としてついている(図5)。

=世界ベスト水準の購買組織と平均的な組織の比較=

・世界ベスト水準の購買組織は、平均的な購買組織に比して、コスト面で以下の差がある。

-支出総額に対する購買部門運営費用比率が、平均的な組織に比べて18%低い(図1)
-支出総額に対する購買要員数が、平均的な組織に比べてで28%少ない(人的生産性が28%高い)(図2)
-購買部門で最大の支出費目である人件費では、支出総額に対する購買部門人権費比率が平均的な組織に比べてで18%低い(世界ベスト水準の購買組織の給与水準は、平均的な組織よりも高いと推測される)
-一方で、アウトソーシング費用は、平均的な組織に比べて13%多い
-システム費用およびその他コストは、平均的な組織に比べて、それぞれ12%と40%低い(上記3項目、図4参照)

※要するに、少数精鋭で高い生産性を維持し、平均的な組織の倍の業務成果を達成しているのが、世界ベスト水準の購買組織であり、そこでは給与水準も高いとなると思います。

・それとともに、優秀人材の引き留め策実施は、平均的な組織の倍の世界ベスト水準組織で実施され、退職率は平均的な組織の半分と、優秀な人材が世界ベスト水準の購買組織に長期にとどまる傾向が生じている。

そして、高い業績を上げている世界ベスト水準の購買組織では、次の5つの重点施策による業務変革が継続して行われているとのことです。

重点施策#1:従事する業務内容が単なる事務作業から高付加価値のものへと移行(図7)
重点施策#2:情報システムによるデジタル・トランスフォーメーションを実施
重点施策#3:分析に基づいた意思決定の強化
重点施策#4:関係者/要求元に重きを置いた購買サービスの設計と提供
重点施策#5:重点購買機能への人材配置見直し

上記のBlog記事のURLは以下:
http://www.scmr.com/article/procurement_specialists_focus_on_talent_retention