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アマゾンビジネス(企業向けAmazon)が遂に欧州に上陸(日本上陸も間近か?)-Spend Matters (2016-12-07)

Spend Mattersが、アマゾンビジネスがドイツでのサービスを開始したことを報じています。アマゾンビジネスは、電子商取引最大手のAmazonの企業向け販売サイトであり、もし日本に上陸した場合には、アスクルやMonotaROの強敵になることが想定されます。さらには簡便な社内承認ワークフローを含めた購買発注システム機能が無料提供されることから、Aribaなどのクラウド購買ソリューションベンダーのビジネスにも大きな影響を与える可能性があります(今年の春には協調的な姿勢を強調していましたが)。

今まさに話題になっているAmazon Dash Buttonの提供が米国で始まったのが2015年4月、それと同タイミングで開始されたのが企業向けAmazonnであるアマゾンビジネスです。
早晩、日本にも上陸して、間接材購買の景色を変えることを想定しておいてよいと思われます。

なお、アマゾンビジネス、およびその想定影響に関するより詳細な解説は、It's購買系ブログ「企業の間接材購買はアマゾンが制覇 – アスクル, MonotaRO, 間接材ITベンダーの仕事が消える日(2016年4月14日)」(URL:http://www.itscobuy.com/blog/?p=519)を参照してください。

アマゾンドイツでのアマゾンビジネスのURLは以下になります。
http://www.amazon.de/business

大きなニュースですので、以下にSpend Mattersの記事翻訳を掲載します。
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アマゾンビジネスが、十分に練られたプランでのドイツ進出を果たす(2016年12月6日)

アマゾンビジネスは、ドイツにタッチダウンした。B2Bの巨人企業は、中欧のどんな規模の企業でもアマゾンビジネスに無料で登録できると、火曜日に発表した。そしてSpend Matterは、最近アマゾンにドイツ進出の詳細を聞く機会を持てた。

■事業インフラ

アマゾンビジネスは、この地域でのアマゾンの既存投資を活用している。アマゾンは次のような多くのインフラを、既にドイツに保有している。

・ミュンヘンとベルリンの企業オフィス
・3つの研究開発センター(アーヘン、ベルリン、ドレスデン)
・9つの物流センター(ブリーセラング、フランクフルト、グラーベン/アウグスブルグ、コブレンツ、ライプチヒ、プフォルツハイム、ラインベルグ、ヴェルネ、バド・ヘルスフェルド)
・2つの配送センター(ベルリン、オルヒング)

さらにアマゾンは、2つの「プライムナウ」用ステーションをベルリンとミュンヘンに保有し、AWSはフランクフルトのデータセンターを運営している。

このようなインフラが、欧州で「全部で80ヶ所のオフィス、物流センター、ベンダーおよび顧客サービスデンター、研究開発ラボ、アマゾンウエッブサービスのデータセンター」の一部をなしていると、アマゾンは言っている。

■テクノロジーとP2P

米国ユーザーがアマゾンビジネスで使っているのと同じ機能、すなわち、e-プロキュアメント機能(複数ユーザー共有取引口座、社内承認ワークフロー、分析とレポーティング機能など)が提供され、既存のP2P(発注~支払)システムでのパンチアウトサイト/マーケットプレースとして連携させることができる。
さらに、「VATを除いた価格を提示しての請求書発行」と「請求書払い」機能も提供されるという。また数百万点の商品に対して、29ユーロを越えた注文に対する「プレミアムショッピング(無料配送)」も提供される。

■商品カテゴリーのカバー度合い、少額購入品対応など

商品カテゴリーのカバー度合いの観点では、アマゾンビジネスは「業界横断」での対応を目指している。発表によれば、アマゾン・ドイツは「5百万点を越える工具、安全メガネ、防音装備、接着剤、研磨剤およびファスナーを提供する。レストランであれば、特定用途ナイフ、ヤカンやフライパン、あらゆる種類のミキサーからキャッシュレジスターまで幅広い種類の選択肢が提供される.大学や研究所は、顕微鏡、試験管、電子はかり、メーターなど、5万点以上の科学・研究用品から選択して購入できる。製品はチタン製ドリル刃から工業用ドリルプレスまで多岐にわたっている。
しかしアマゾンビジネスを使う多くの大企業にとって魅力的なのは、アマゾンビジネスが少額支出品も取り扱う、新手の市場縦断的な業者であるということです。一方で、アマゾンビジネスは、中小企業にも浸透し、「40万社以上に」サービスを提供しています。マーケットプレースとしての対応も重視し、「注文の半数はサードパーティの売り手が担当しており」、そのサードパーティのサプライヤーも45万社に達しています。

■発表内容を越えて(Spend Mattersとしての見解)

ドイツの購買部門は、効率的で操作性に優れた購買カタログからの購入を好みます。
ゆえに、Spend Mattersは2つの主要配送センターと多数の物流センターを含む、アマゾンビジネスの供給ネットワークが想定されるビジネス上の需要に適するように既に調整済みなのではないかと考えます。
このように考えると、既存の地域インフラと事業計画は既に進出を前提としており、アマゾンビジネスが当初からドイツで受け入れられることは間違いないと、Spend Mattersは考えます。なお(有料の)Spend Mattersではアマゾンビジネスのドイツ進出に対する追加レポートを次週発表予定です。