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2017年の購入品の安定調達にはさほど大きな問題はないと、米製造業は楽観的な調査結果-ASQ (2017-01-19)

アメリカ品質学会(ASQ)が2016年12月23日に発表した"2017 Manufacturing Outlook Survey"によると、米企業は購入品の品質などに起因するサプライチェーン断絶に大きな懸念を抱いてはいないとのことです。この調査は2016年11~12月に、世界中の製造業1,125社に対して実施され、その所属業界は、航空宇宙、自動車、食品、医療機器など多岐にわたるとのこと。

調査結果のサマリーは以下。

・2016年に、製造業の83%の企業がサプライヤーに起因する品質問題に遭遇し、全体の1/3で実際に欠如が発生した。

・66%の製造業企業は、品質問題をその供給元サプライヤーとともに解決したが、別サプライヤーからの調達に切り替えた企業も35%あった。また不測事態に在庫積み増しで対応したところもあれば、内製能力を拡充したところもある。

・2017年の企業収益見通しに関する質問については、回答者の約72%は2017年の収入増を想定し、74%の回答者は給与Upを想定しているとのこと(これは昨年の61%から大幅増加)。さらに回答者の46%はスタッフ増員を見込んでいる(昨年の37%より増加)。所属企業の業績見通しも去年より楽観的である。

・熟練労働者の不足が最大課題と回答したのは30%強。次に多かったのは大統領交代により先行き不透明な規制関連の15%。

・必要部品の部品供給途絶を最大の課題としたのは7%に過ぎず、回答者の多くは購入品の品質および調達しやすさに満足していると回答している。

・一方で、サプライヤー選択の最大の決め手は品質とした回答者は68%であった。

・サプライチェーン断絶対策としては、複数の購入経路を確保する(don’t put all your eggs in one basket)とともに、潜在的なリスクやバックアッププラン、さらには代替サプライヤーについて、その供給元サプライヤーとオープンにコミニュケーションするとしている。

・所属企業にフォーマルなサプライチェーンリスク対応プロセスがあるのは59%であったが、28%は無いと回答し、13%は不明と回答した。