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東電、“ぬるま湯”体質脱却へ道筋 調達コスト低減に成果-日刊工業新聞 (2017-05-26)

本日の日刊工業新聞に、東京電力の調達改革の第1章に道筋がつき、「6月の経営新体制の発足を契機に、東電の調達改革は次のステージに入る」と報じています。

東京電力では、2012年11月に調達委員会を設置し、外部有識者として宇田左近氏(日本郵政元専務執行役)を委員長に、仲田裕一氏(元川崎製鉄)、後藤治氏(ATカーニー)を招いて調達改革を進めてきました。その成果として、「16年度の調達単価の低減実績は10年度比2100億円、調達平均単価は同20%減。全体に占める競争での調達比率も67%で、10年度の4倍超に拡大した。」とのかなりの成果を上げています。

仲田裕一委員は、「まだ絞れる」とのコメントされているとのことですが、この成果をもって、東京電力の調達委員会は終了するとのことです。

ところで、東京電力に横並びで他電力会社も外部委員も招いた同様の組織を設立してきました。
例えば、東北電力の調達改革委員会(2013年7月設立)、九州電力の調達改革推進委員会(2014年2月)などです。
そして他電力会社の取組状況をまとめた資料が昨年6月の「第3回 電力託送料金に関する調査会(内閣府)」で提示されています。

この資料によると、その他電力の競争調達比率目標は約3割程度と東京電力の半分以下(北陸電力と沖縄電力はやや高比率)。
目標コストダウン比率も、例えば東北電力では「調達価格の10%低減」と東京電力の半分という状況になっています。
従来は、電力の安定供給のためなどの理由付けから、各電力会社調達にはそれ以上の突っ込みができないところがありました。
しかし東京電力がここまで達成した状況が出てしまったとなると、その他電力会社では果たしてこれはどうしたものかとの疑問がつきまとう結果になっています。

参考)
電力会社の調達コスト削減の試み: 第3回 電力託送料金に関する調査会第3回 電力託送料金に関する調査会
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/kokyoryokin/doc/003_160613_sankou_1.pdf
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/kokyoryokin/doc/003_160613_sankou_2.pdf
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/kokyoryokin/doc/003_160613_sankou_3.pdf
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/kokyoryokin/doc/003_160613_sankou_4.pdf

東電の調達改革、19日に新組織 委員長に宇田氏 :日本経済新聞
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1184371_1049.html

「調達改革委員会」の設置について| 東北電力
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1184371_1049.html

「調達改革推進委員会」の設置について| 九州電力
http://www.kyuden.co.jp/press_h140205-1.html