自動車業界にもスマイルカーブ？部品サプライヤーの方が儲かり始めている-Financial Times (2017年8月15日)

自動車業界にもスマイルカーブ？部品サプライヤーの方が儲かり始めている-Financial Times (2017-08-15)
8月9日のFinancial Timesは、自動車業界で完成車メーカーよりも部品サプライヤーの方が儲かっており、さらにその収益の差が拡大していることを報道しています。完成車メーカーと部品サプライヤーの収益率は、5年前にはほぼ同じでしたが、その後完成車メーカーがどんどんと低下し、大きく差が開いています。中国を始めとする新興国での販売台数の伸びがあることから、利益額ベースでは収益が伸びていますが、利益率ベースではこのような傾向になっているとのこと。この理由としては、自動車の電子化、カーシェアリング(自分で好みの車を保有しない)および自動運転があげられ、部品サプライヤーとカーシェアリングサービスに利益の源泉シフトが起こっていることを報じています。一方で、完成車メーカーの従来からのビジネスモデルが儲からなくなっていることが指摘されています。これはかつて電機業界で発生したスマイルカーブ現象に類似するもので、自動車業界における完成車メーカーとサプライヤーの力関係の変遷は、今後の他業界も含めた購買業務のトレンドがどうなっていくかの観点で、気にかけていく必要があるように思えます。