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BMW、バッテリー材料に不可欠なコバルトの倫理的調達方針を表明-Green Car report (2017-11-20)

電気自動車のバッテリーに不可欠な原料であるコバルトは、全世界の産出量の半分をコンゴ民主共和国に由来しています。一方で、その採鉱を担うのは大勢の児童労働者であるとされています(2014年のユニセフ調査では40,000人の児童労働者が従事)。

それに対して。BMWが対応策をとる表明をしたことが記事になっています。

・BMWが購入したコバルトの精錬所と原産地の情報を公開する
・コンゴ民主共和国のコバルト鉱山に対して、労働環境改善の支援を提供し、他の鉱山のお手本にもなるように労働環境を向上させる
・BMWはコバルトだけを購入するのではなく、そのサプラチェーンまで含めて代金を支払い、持続可能なサプライチェーンを作り上げていく

コバルト使用量が半分になるようなバッテリー開発も進んでいるとのことですが、電子自動車化につれて、従来の分横行物(3TG)とは別に、コンゴのコバルトがクローズアップされてきそうです。

一方で。CIPS(Supply Management)は、コバルトの主要ユーザー29社の半数が、最低限のコンプライアンス遵守すらできていないとの、アムネスティのレポートを取り上げています。
https://www.cips.org/en-SG/supply-management/news/2017/november/companies-failing-to-ensure-ethical-cobalt-supplyamnesty-/

29社を調査対象としたこのレポートでは、29社のランク付けを以下のようにしています。※評価基準には、OECDの5つの基準を採用

満点の対応が取れている-該当なし
十分な対応が取れている-Apple, Samsung SDI
ある程度の対応が取れている-Dell, HP, BMW, Tesla,LG Chem
最低限の対応が取れている-Sony, Samsung Electronics, General Motors, Volkswagen, Fiat-Chrysler, Daimler, Hunan Shanshan, Amperex Technology,Tianjin Lishen
対応を取っていない-Microsoft, Lenovo, Renault, Vodafone, Huawei, L&F, Tianjin B&M, BYD, Coslight,Shenzhan BAK,ZTE

このアムネスティのレポートのURLは以下
https://www.amnesty.org/en/latest/news/2017/11/industry-giants-fail-to-tackle-child-labour-allegations-in-cobalt-battery-supply-chains/