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アップルの人権監査も不備、主要サプライヤー可成科技宿遷工場の労働環境が人権擁護団体摘発で大問題に-Bloomberg (2018-01-18) | ||
1月16日にブルームバーグが報じた可成科技(Catcher Technology)宿遷工場(南京北方、項羽の出身地)での労働環境問題が、アップルの監査疑義も含めて、一斉にネット上に流れています。可成科技はアップル製品のケースの主要供給先(売上の3分の2をアップル依存))で、アップルのサプライヤーCSR方式にも疑義が述べられています。 事業規模が大きいアップルの事例を契機に、中国での労働環境への注目が再び集まるかもしれません。 記事の概要は以下。 ・人権擁護団体「チャイナ・レーバー・ウオッチ(CLW)」の調査報告とブルームバーグの従業員インタビューからの内容である。 ・CLWの調査では、アップルの「サプライヤーが充足すべき労働基準」の14項目に抵触する事態が発生していた。 ・アップルは自社社員を可成科技の工場に常駐させ、さらに追加で監査チームも送り込んで調査したが、基準違反は発見できなかったとしていた。なお、可成科技は、売上の3分の2をアップルに依存している。 ・しかしCLWとブルームバーグの調査では、以下のような事態が発生していた。 -80デシベルを越える騒音があるが、耳栓は準備されていない。 -金属粒子や化学物質(冷却剤)が噴射される切断工程や研磨工程でもゴーグルの着用はない。 -作業時に着用するゴム手袋の支給も足りていない。 -最大で1日10時間の立ち作業を強いられている。 -宿舎の寮は2段ベッドを8人部屋の不清潔な環境で、暖房も不十分。 -地方から出てきたばかりで状況がわからない労働者(一部は繁忙期非常勤労働者)を劣悪条件・低賃金で働かせている。 -退職時の賃金未払いも発生している。 ・アップルは2011年の鴻海問題などから積極的に取り組んできた企業とされているが、この状況は実効性が疑われる。 参考)Apple Supplier Workers Describe Noxious Hazards at China Factory-Bloomberg(記事原文) https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-01-16/workers-at-apple-supplier-catcher-describe-harsh-conditions |