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変化と改革を通じた購買部門の影響力拡大を-CPOアジェンダ2018-The Heckett Group (2018-03-14)

Hackett Groupは2月6日に2018年のCPO Agendaレポートを発行しました。
このレポートは、購買部門が現時点取り組みべき課題(Agenda)を整理して毎年発行されているものです。

2018年は「変化と改革を通じた購買部門の影響力拡大を(Expanding Procurement's
Influence Through Change and Innovation)」というタイトルで、エグゼクティブサマリーでは以下のように記述されています。

2018年の楽観的な事業見込みにも関わらず、購買トップ層は企業の利益を損なう可能性のある幅広いリスク-重要人材の確保からサイバーリスク対応まで-に顧慮している。

今年のレポートには、購買トップ層が取引拡大とリスク対策に向けたサプライヤーとのコラボレーションに注力していることも示されている。

さらに、2018年には購買プロセスの3割がデジタル化の影響を受け、その功罪が見えてくると考えている。デジタル化に関しては、95%の購買トップ層が購買業務の提供形態を2、3年以内に根本的に変えると確信している。

そして、デジタル技術(プロセスのロボット自動化(RPA)や先進的な分析など) の導入が、購買部門が戦略的事業価値に貢献できる新時代の状況は、良い兆候として今からも垣間見える。

内容は以下

◆2018年の企業全体としてのリスク
「サイバー/情報リスク」「重要人材不足」「競争激化」が3大課題であり、かつ2017年に比べても、この課題を重大と回答した比率が伸びている。

◆2018年の企業としての経営課題
「顧客に対応した改善(74%)」「製品/サービス・ポートフォリオの改善・拡大(71%)」「業務運営コスト削減(69%)」「企業文化の変革(64%)」「間接部門改革/間接コスト削減(56%)」が5大課題である。

◆購買が重点対応すべき領域(対事業部門[部門外に対して])
その対応を実施・貢献するために、購買部門が特に実施すべきは以下の項目である

・購買業務範囲と影響力の拡大
・購買部門が事業部門から信頼あるアドバイザーになる
・事業部門に対する迅速さ(アジリティ)を改善する
・企業としてのデジタル化を支援する
・複雑な品目での影響力を強化し、単なる値決めを越えた価値を追求する

◆購買が重点対応すべき領域(自部門内で)
一方で自部門内では、以下に磨きをかける必要がある
・変遷する事業ニーズに対応できるスキル・人材育成
・達成した購買業績と事業付加価値を測定・管理する
・サプライヤーリレーションシップマネジメントを強化し、一層の価値をサプライヤーから引き出す
・品目カテゴリーマネジメントを強化し、既存カテゴリーでも更に成果を追求する

◆デジタル化の動向に留意する
・2-3年度の普及度も見据え既存技術の導入を的確にすすめる。「クラウド型ソーシングツール」「データ分析・可視化ツール」などは、2-3年後は8割以上の普及率と想定。
・プロセスのロボット自動化(試行中38%)、「ブロックチェーン(同33%)」「コグニティブ/AI(同31%)」「IoT(同20%)」などの動向にも注意。