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工作機械を作れない、世界揺るがす部品不足 (一方で日系海外工場からの調達成功事例も) - 日経産業新聞 (2018-07-15)

7月6日に日経産業新聞の1面に掲載された記事が、12日にオンライン版の方でも公開されました。 空前の受注増により深刻な部材の調達難が発生している工作機械業界で、特に不足が顕著な「ガイド製品(直動案内機器)」を、記事では取り上げています。

概要は以下。

・昨年年末から調達危機が顕在化し、約束納期に遅延する事態が頻発し、現在では「1年待ち」の納期回答とのこと。

・ガイドの生産は日本企業の独壇場で、最初にLMガイドとして製品化したTHKが世界の5割超のシャアを握り、日本トムソンや日本精工が続く状況にあるが、受注が以前の7倍に急拡大し、生産サプライヤー側もどうにもならない状況で、「1.5倍払ってもらえれば納期を縮めます」といった交渉も発生。

・シチズンマシナリー、ジェイテクトといった工作機械メーカー大手でもこの状況は発生しており、東芝機械の工作機械事業の決算会見では、赤字理由として「基幹部品調達の長納期化」をあげた。

・ただし需給逼迫期の常として、発注元の工作機械メーカーが多めの枠取りに動いているのではとの危惧から、ガイド部品サプライヤーが大幅増産を決断しがたいところもある。

・一方で、この状況が継続すると、現行の受注機会ロスを越えて、受注済み分のキャンセルが発生するのではと、工作機械メーカー側は恐れている。

・工作機械メーカーは「峠を超えた」とするところもあれば、「まだまだ続く」と考えているところもある。

◆アサヒ精機鉄工、納期長期化を改善 日系海外拠点から部品調達-日刊工業新聞
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00480618

一方で、7月11日の日刊工業新聞では、アサヒ精機鉄工が、中国で日系メーカーが生産する直動案内機器やボールネジを調達するルートを確保。1年の納期を2ヶ月に短縮できた事例の記事が掲載されました。「特殊で生産台数の少ない加工機を生産する中小企業の部品調達は、極めて困難な状況」に対し、日系の海外製品の調達ルート開拓に乗り出したとのことです。