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デンソー、中小の取引先存続へ支援 調達網維持狙う-日本経済新聞 (2018-10-04)

10月4日の日本経済新聞に、後継者不足による廃業を防ぎ、ひいては部品調達網の断絶を防ぐため、製造業大手が後継者育成などの支援に乗り出していることが記事になっています。

この問題については、昨年7月に中小企業庁が以下のような実態を発表するとともに、「中小企業の事業承継に関する集中実施期間について(事業承継5ヶ年計画)」として「今後5年程度を事業継承の集中実施期間都とし、支援体制・支援施策を抜本的に強化」との方針を発表していました。
また、納税猶予の新事業承継税制も4月に政府が導入しました。

=現状認識=
・中小企業の経営者は66歳が最も多い。
・今後5年間で30万以上の経営者が70歳になるにもかかわらず、6割が後継者未定 。
・70代の経営者でも承継準備を行っている経営者は半数。
・高齢化が進むと企業の業績は伸びない(売上増は70代で14%、30代で51%)。

それと並行して、民間企業がどのような対策を取っているかが、記事では示されています。
・デンソー: 後継者育成を支援。約100社の30~40歳代の若手幹部候補に、1年間の育成研修を提供。
・コマツ: 後継者育成を支援。取引先企業の青年組織で後継者育成の研修を提供。
     自社の経営幹部育成の場に、取引先若手幹部候補を招く取り組みも検討。
・豊田通商:後継者問題に直面する部品や設備のサプライヤーの買収を積極化。

一方で、由紀ホールディングスによる、中小企業のグループ会社化などの、中小企業での自衛策も紹介されています。

参考)
「事業承継5ヶ年計画」を策定しました(2017年7月7日) - 中小企業庁
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2017/170707shoukei.htm