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低コスト国への大量発注時代の終焉を、アパレル産業を引き合いに出して予言-マッキンゼー (2018-10-29)

戦略コンサルティング会社 マッキンゼーが、アパレル業界での低コスト国大量発注方式が終焉し、ニアショアリングと自動化が需要に基づいたサプライチェーンの実現を推し進めるとするレポートを10月に発表しました。
ニアショアリング(Nearshoring)、自動化(Automation)、サステナビリティの3つの側面から、現在の予測型ローコストカントリー(LCC)大量生産モデルが終息に向かい、市場に近いところで迅速に需要に対応した生産に変化することを、このレポート「Is apparel manufacturing coming home?(アパレル製造業は戻りつつあるのか)」では主張しています。電子機器類など技術革新が早い高額品ではすでに検討が進んでいたモデルではありますが、低価格の衣料品でも同様な主張がされていると思われ、アパレル以外の業界でも参考になるところがあると思われます。

論文の概要は以下。

・インターネットでの流行拡散や市場細分化などから、需要予測の困難が増し、正価販売比率は低下している。

・そこで市場の需要に迅速に対応し、例えばセールスシーズン内の生産調整を行うなどの動きがアパレル業界で進んでくる。

・アパレル業界は「需要指向型モデル(demand-focused model)」に現行業務プロセスを調整していく必要があり、そのためには自動化(Automation)/デジタル化を進めるとともに、ロジスティックスの改善も含めた生産地の市場近接化Nearshoring)が、迅速な対応を行うために必要になってくる。
・さらに売れ残りの大量破棄に対する社会的なサステナビリティ面での批判も、この動きを後押しする。

・20年前から、欧米各国はコストメリットを求めて、アジアなどの低コスト国(中国から、低コスト国を求めて地域移動してきている)での大量生産モデルを構築してきた。ただしこのような状況が変化する時代(Era of Change)になっている。

参考)
Automation and Nearshoring in Apparel Industry Could Lead to Cost Savings-Supply & Demend Chain Exectives
https://www.sdcexec.com/warehousing/news/21027217/automation-and-nearshoring-in-apparel-industry-could-lead-to-cost-savings