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様々な情報源の2019年の購買業務動向予測 ~ Spend Matters、ATカーニー、Procurement Leaders (2018-12-30)

年末になって世界経済の不透明感が増していますが、様々な情報ソースからの2019年の予測を整理してみます。

■Spend Matters
情報提供サイトのSpend Mattersが12月27日と28日に発表した「来年に向けての6つの購買の真実(Six Procurement Truths for the New Year)」が引用も多く、注目を集めている様子です。

6つの真実には、以下が挙げられています。

1.Procurement is all about value(購買は価値の源泉)
支出削減だけでなく、事業収入向上、財務適正化、製品などのイノベーション促進、業務効率化・改善、リスク対応、企業の倫理的評判向上、社員の士気向上などに成果を上げてきたし、今後も上げていける。

2.Competition works(競争関係は役に立つ)
そのためには、サプライヤー間の競争関係を導入することは重要だ。

3.But relationships are still important(けれど、リレーションシップはやはり重要)
だがそれとともに、サプライヤーとの良好な戦略的な関係確立と維持は重要である。購買部門と社内他部門ともに。

4.Technology is wonderful, but … (ITは素晴らしいが、しかし....)
情報技術は素晴らしいが、それを適正な業務プロセスやガバナンスを伴って、社内に取り込むのはなかなか大変だ。

5.People(人材)
何よりも重要な要素は人材であり、有能で士気が高い人材なしには購買業務の改善など考えられない。

6.But always remember, we have no right to exist
そして購買部門の業務活動が行えることを当然とは考えずに、常に心してかかること。

Six Procurement Truths for the New Year(前半)
https://spendmatters.com/uk/six-pronouncement-truths-for-the-new-year/

Six Procurement Truths for the New Year(後半)
https://spendmatters.com/uk/six-procurement-truths-for-the-new-year-part-2/

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■ATカーニー
購買コンサルティングを強味の1つとするコンサルティング会社 ATカーニーは、12月12日に自社ホームページの「購買(Procurement)」の部分に「2019年の予測」を掲載しました。ATカーニーのグローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシル (GBPC)部門が発表したレポート「Year-Ahead Predictions 2019」に基づくものとのことで、購買に限らない全般的な動向予測が示されています(しかし、購買のページに掲載されています。
レポートでは、「2019年のグローバルな事業環境に重大な影響を与えうる10の出来事 」として、以下の10個を挙げ、その説明を付けています。

・米中貿易戦争の激化
・ビットコインが仮想通貨市場の安定化と成熟化を牽引
・世界的なごみ問題の深刻化により、廃棄物処理のイノベーションが加速(含:プラスティック汚染)
・世界の海運業界が、新たな硫黄分規制に直面
・習近平とプーチンの関係は、世界で最も親密なものとなる
・世界中で不安感が蔓延した結果、新タイプの製品が普及
・砂不足問題が、世界の建設業界に損害をもたらす
・新興市場に忍び寄る信用危機が、規模と範囲の両面で深刻化
・アフリカでますます進む地域統合
・「アイアンマン」が外骨格型パワードスーツという形で現実化

なお、レポートの後半には、昨年の予測の的中度も提示されています。

2019年の予測 (日本語)
https://www.atkearney.co.jp/procurement/-/asset_publisher/BqWAk3NLsZIU/content/201-2

Year-Ahead Predictions 2019(英語)
https://www.atkearney.com/web/global-business-policy-council/article?/a/year-ahead-predictions-2019

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■Procurement Leaders
購買コミュニティサイトのProcurement Leadersは、「Procurement set to grow its influence in 2019(購買の2影響力は2019年に拡大へ) 」というタイトルで、Procurement Leadersの組織内メンバーの予測を掲載しています。

Nandini Basuthakur, CEO: 事業部門の統合や価値創造の観点で、購買部門の認知がますます高まる
Errol Rasit, chief innovation and product officer: デジタル化の成果が上がる年になる
Roseanne Spagnuolo, head of research and insights: CPOとCEOの距離が縮まる
Steve Hall, director of content and community: 供給リスクに多くの焦点が当たる年になる
Jon Webb, head of content and advisory APAC: 2018年の環境の不確実性やリスクが晴れる

Procurement set to grow its influence in 2019
https://www.procurementleaders.com/blog/guest/procurement-set-to-grow-its-influence-in-2019-683732