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新日鉄住金、鋼材価格巡りトヨタと摩擦 値決め「2通り」で中小苦境 岐路に立つ部材調達-日本経済新聞 (2019-01-22)

トヨタと新日鉄住金の値決め基準が異なり、新日鉄住金の値上げを価格転嫁できないサプライヤーが苦境に陥っているとの記事が、1月22日の日本経済新聞に掲載されました。

鉄鋼メーカーと自動車メーカーの間では年2回供給価格を決める協議がもたれ、自動車メーカーのサプライヤーに供給される「集購材」の価格が決定されてきました。特に取引量が多い新日鉄住金とトヨタの間の協定価格交渉は「チャンピオン交渉」と呼ばれ、他の自動車メーカーや電機など他業種の鉄鋼価格決定の指標とされています。

この集購材については、2018年下期に、トヨタが原料高騰の反映を認めず、新日鉄住金の価格を据え置いた(2期連続据え置き)ため、利幅が減った新日鐵住金側は不満を持っていました。

一方で、特殊鋼の半分(半分は集購交渉対象)については、新日鐵住金は市況価格に即して以前よりも高値で自動車サプライヤーに供給しているのに、トヨタ側は集購材と同様に価格を据え置いた前提でサプライヤーからの購入部品価格を設定しているため、板挟みの自動車サプライヤーの利幅が圧迫されていると、新日鉄住金が指摘しているという記事です。なお、集購分の特殊鋼(全体の半分)は需要逼迫により、2018年下期に、一般鉱が据え置かれたのに対し、値上げが認められました(値上げ幅の十分さは不明)。

新日鐵住金側は現在の集購材価格決定方式にも不満があり、より価格上昇すべきとの考えである一方で、トヨタ側は2018年下期は価格を据え置いて我慢した(下げさせなかった)との認識があることが、2018年下期交渉に際して言われていました。

これに加えて、特殊鋼での市況価格上昇を受け入れないトヨタの姿勢に対し、鋼材サプライチェーンの危機という形で、新日鉄住金がクレームをあげている様子です。