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キリンHD、製品包材の原料になる段ボール古紙の輸出回避を契約化 価格安定へ需給改善-日本経済新聞 (2019-02-13)

2月13日の日本経済新聞で、キリンHDが自社で購入する段ボール原紙を安定確保するために、段ボール古紙買取業者が国内の製紙会社に必ず販売する取引条件を課した内容へと契約見直しを進めることが記事になりました。

リサイクル率が高い段ボール原紙という特殊性もありますが、このような循環サイクルに入り込んだ材料確保は珍しいと、日本経済新聞もしています。
なお、国内に流通させることによる古紙回収業者との価格などの取り決めがどうなったかの詳細は報じられていません。

記事の概要は以下。

・キリンビールとキリンビバレッジが消費する段ボールは年約10万トンで、国内需要全体の約1%を占める。
・自動販売機に製品重点後、古紙として販売されるのは、そのうちの年約7千~8千トン。

・米中貿易摩擦の影響で、中国の段ボール古紙調達先が米国から日本にシフトし、日本から中国へ輸出される段ボール古紙が増加している(価格も16年最安値の2倍に)。それにより国内の段ボール古紙価格も高騰している。

・そのため、キリンから回収した段ボール古紙は、国内製紙会社に販売する契約見直しを、2020年末までに関東と関西の回収事業者の約30社と行うのこと(21年末までに他地区との契約見直しも目指す)。また、輸出されていないことの監査制度も設ける。

・このようにして、段ボール原料の古紙を国内で循環する仕組みを築き、資源の安定的な調達を狙う。