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今年度米進出企業、米企業から調達「拡大」30% ジェトロ調べ-日刊工業新聞 (2019-02-15)

米国に進出している日系企業の現地調達状況などを含んだ、JETRO調査「2018年度米国進出日系企業実態調査(2月6日発表)」の概要が、2月15日の日刊工業新聞に掲載されました。また2月8日には「2018年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査-中国編-」も発表されていますので、JETROの2018年度日経企業実態調査の内容について、サマリーします。

■2018年度米国進出日系企業実態調査 (2019年2月6日発表)
・米国で生産を行う日系企業の原材料・部品の米国内からの調達比率は58.1%(現地日系企業17.9%、地場企業38.9%、その他外資企業1.3%)、次いで日本からが25.6%。

・米国(地場企業)からの原材料・部品調達の今後の見通しは、「拡大」が30.8%(前年比1.1%減)、「現状維持」64.8%で、米国からの地産地消傾向が続いている。
・中国からの調達の今後を「減少」としたのが37.5%であるのに対し、ASEANからの調達の今後を「増加」が30.4%であり、米中貿易摩擦による調達先シフトが発生しているとみられる。

その結果「通商環境の変化によって調達先の見直しの動きはあるものの、NAFTA地域を中心とする地産地消のトレンドに変化はない。」としています。なお、調査は昨年11月~12月に行われ、730社の回答からまとめられています。

■2018年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査 (2018年12月20日発表)
・製造原価の6割を占める材料費に対して、64.5%の回答企業が「現地調達率の引き上げ」をあげている。「日本からの調達比率引き上げ」は7.7%(前年6%減)に対し、「ASEAN調達比率引き上げ」は25.5%(2.7%増)
・現地調達率が高い国は、中国(66.3%:うち輸送機械器具では71.4%)、ニュージーランド(65.0%)。
・経年変化をみると、2013年比で南西アジアの現地調達率向上が著しく、特にインドは2018年には55.6%にまで拡大(2013年は43.4%)

その結果「製造業:インドを中心に現地調達率は上昇」としています。なお、調査は昨年10月~11月に行われ、5,073社の回答からまとめられています。

■2018年度欧州進出日系企業実態調査 (2018年12月16日発表)
・2月1日に発効した日EU・EPAについては、在英以外の企業で「メリット大」の回答が48.1%だが、「社内体制の整備」(47.4%)、「サプライヤー/取引先との協力体制整備(原産地証明書に必要な書類の整備等)」(43.1%)が利用上の2大課題。

なお、調査は昨年9月~10月に行われ、763社の回答からまとめられています。

参考)
「2018年度(第37回)米国進出日系企業実態調査」の結果について- JETRO (2019年2月6日)
https://www.jetro.go.jp/news/releases/2019/08272c160a15e3fa.html

「2018年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」結果について ―アジア・オセアニア進出日系企業の景況感は引き続き堅調― - JETRO (2018年12月20日)
https://www.jetro.go.jp/news/releases/2018/e66211ae2776ee2c.html

2018年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査-中国編-- JETRO(2019年2月8日)
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2019/01/3c03cff7a8afcd05.html

「2018年度欧州進出日系企業実態調査」の結果について ―英国のEU離脱に伴う規制・法制の変更対応、日EU・EPA利用はともに社内体制整備が課題― - JETRO (2018年12月18日)
https://www.jetro.go.jp/news/releases/2018/d10dc8f3dbb57c60.html