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今度はうまくいったKFCの鶏肉物流業者変更、但し合意なき離脱の場合フライドポテトが危機!?-The SUN他 (2019-03-29)

コスト低減のために、鶏肉物流業者をDHL Supply Chain社に事前テストもせずに切り替え、システム障害でチキンが配送されなくなって、8割の店舗が一時休業するという大事故(いわゆるKFC with no chicken)を1年前に起した英国ケンタッキーフライドチキン(KFC)ですが、3月18日(月)から以前のサプライヤーに戻すとのことが報じられました。しかしこれには懸念があり、また供給断絶が起こるのではと、英国タブロイド紙のThe SUNが3月14日に報じていました。

ことの経緯は、1年間の契約サイクルでサプライヤーの見直しを行っているらしい英国KFCに、昨年切り替えられたBidvest社がケース辺り£22 の入札をし、£24.50で入札したDHL Supply Chain社はそれ以上の再入札はせずに、取引を辞退したことにあります。その結果、900店舗中の350店舗分を、英国KFCはBidvest社(現在はBest Food Logistics社に社名変更)に発注する運びとなりました。しかし事情通が「Bidvest社の低価格の入札で想定している内容には無理がある。また事故るぞ/大騒ぎになるぞ(feathers will fly)」と言っていると、The SUNが報じたものです。それが、他のタブロイド紙系でも拡散されていました。

幸いにも事故は発生しなかった様子ですが、失敗の許されない主要材料のサプライヤーを変更でそのサービスレベルの検証がきちんとできているかについて、憶測にせよ、昨年の大事故への連想から懸念のうわさが発生していました。

このように鶏肉は無事故で済みましたが、今度はフライドポテト材料の供給断絶懸念を、今度は英国KFC自体が表明していると、英国の購買団体CIPSが報じました(おそらく、The SUNの記事からの連想で書かれて記事ではないかと思います)。それによると、鶏肉は国内で賄えるが、ポテトは輸入品であり、合意なき離脱の場合は供給断絶を避けるため在庫の積み増しも考えるが、生鮮食品を大量備蓄するのは無理がある。ゆえに合意なき離脱は回避してほしいとする請願書を、英国KFCは政府に1月に提出済とのことです。

参考)
KFC warns of no-deal Brexit chips shortage-CIPS(Supply Managemet) (2019年3月22日)
https://www.cips.org/en-SG/supply-management/news/2019/march/kfc-warns-of-further-shortages-in-no-deal-brexit/

チキンがないKFC事件は、購買業務の失敗事例としてサプライヤー選定の教訓になる-Supply Chain Disital (2018年3月6日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/1818973734800529