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値上げの春-石油、鉄鋼、派遣時給などに値上げの兆候-日本経済新聞 (2019-04-26)

4月24日の日本経済新聞に国際情勢に基づく供給懸念から原油が高騰していることに加え、4月13日には鉄鋼原料(鉄鉱石)・資材(黒鉛電極)の調達価格上昇が報じられました。非鉄金属類は全般に、中国経済の成長鈍化の影響で安値圏にあるものの、主要原材料の価格上昇は今後の諸資材の値上げに結びついてくることが予想されます。

加えて、4月18日の日本経済新聞では、三大都市圏(関東、東海、関西)の派遣時給が過去最高の1,572円になったと報じられました。派遣時給から類推して、自社社員給与の伸び以上に、外部サービスの人件費単価の上昇が見込まれる状況となっていると思われます。

■原油
米国のイラン産原油の禁輸措置(4月22日発表)、およびベネズエラの政情不安などから供給懸念が発生する中、サウジアラビアやUAEなど他産油国の増産も即座に対応できないことから、投機マネー流入も含め、原油の先高観が広がっていることを、4月24日の日本経済新聞が報じました。

すでにそれ以前の4月18日の日本経済新聞で、原油高が国内樹脂価格に影響していることが報じられていました。ナフサが年初比3割高になっており、樹脂大手のプライムポリマーが、その転嫁として汎用樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン)の値上げ交渉を、大口需要家と始めたとのことです。

今後は、ベンゼンの値上がり分のポリスチレン転嫁を含めて、他社にも樹脂値上げの動きが広がることが予想されています。

■鉄鋼
4月13日の日本経済新聞は、鉄鉱石が調達価格が、全四半期に比べ、4~6月で1割強上昇。電炉資材の黒鉛電極が2割値上がりと報じました。中国での鉄鋼生産増加による需給タイト化が原因とされています。
また、鉄鉱石はブラジルの鉄鉱石鉱山ダム決壊事故(1月末)発生の翌月の2月分から急騰とのこと。

2019年度上期(4~9月)価格のトヨタの鋼材支給価格は、2月に前期据え置きとなりましたが、今後はより値上げ圧力が強まると思われます。

原油、鉄鋼の原材料の価格上昇であり、様々な値上げのトリガーになることが想定されます。

■派遣時給
4月18日のエン・ジャパンの発表によると、三大都市圏(関東、東海、関西)の派遣時給が、前月比+7円(0.5%増)、前年同月比+37円(2.4%増)の1,572円と過去最高時給を記録し、10ヶ月連続で前年同⽉比プラス、さらに三大都市圏では全職種で前年同月比の時給が増加しているとのこと。ディップも三大都市圏の平均時給が上昇したとしていますが、リクルートジョブズは、営業・販売・サービス系の時給が下がったため、前年同期比2.5%の対価としています。まちまちではあるものの、これから類推するに、サービス価格も全般に上昇することが想定されます。

参考)
樹脂価格に再び原油高波及 国内大手(プライムポリマー)値上げ交渉開始 (2019年4月18日)-日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43893390Y9A410C1QM8000/

鉄鋼、原料・資材が一段高 鉄鉱石1割・電極は2割 (2019年4月13日)-日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43672600S9A410C1QM8000/

派遣時給、過去最高1572円に 3月の三大都市圏2.4%上昇 (2019年4月18日)-日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43889560Y9A410C1QM8000/