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平成30年度の下請法指導件数は過去最高の7,710件、サプライヤーが躊躇なく申告する傾向が進んだか?-公正取引委員会 (2019-05-31)

5月29日に、公正取引委員会より「平成30年度における下請法の運用状況及び企業間取引の公正化への取組等」が発表され、平成30年度の下請法運用状況の統計などが提示されました。

不適正と感じることがあれば、サプライヤーは躊躇なく公正取引委員会などの機関に申告できる状態になってきているのではないかと思われます。買い手企業の留意がさらに必要かと思われます。

傾向としては、以下。

・書面調査の送付数は36万名と、昨年度と同等だが、回答(告発)数は7,757件と昨年より600件増加。
・書面調査以外の下請業者等の申告も141件と、昨年比1.5倍に増加。

・ただし、重大違反に対する勧告に至った件数は7件と、昨年比2件減少。いずれも製造委託等に係るもの。
・下請法違反に対する補償(原状回復)は6億7068万円と、5年間で最少。
・原状回復を受けた下請事業者数は10,172名と約1,000名の減少、現状回復した親業者は321名と13名の微増。

・これに対し、指導件数(未遂分を含む)は7,710件と、昨年比約1,000件の増加。

・違反行為のトップ3は、書面交付違反、支払遅延、買いたたきと例年通り。

この傾向より、不正と感じることがあれば、サプライヤーは小さな事態でも躊躇なく申告し、公正取引委員会などの指導が入っているのではと思われます。

加えて「別紙2: 平成 30 年度における働き方改革に関連する下請法違反実例 」として、買いたたきに加えて短納期発注などでサプライヤーの「働き方改革を妨げる」事例が列挙されており、このような観点からの留意も促しています。

参考)
下請法行政指導、昨年度14%増の7717件 公取委-日刊工業新聞
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00518483