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ネスレ、購買・生産体制の混乱の整理(含:サプライヤー集約)も含め、全社2,700憶円の費用削減目標の必達を目指す-Wall Street Journal/Supply Chain Dive (2019-06-10) | ||
グローバルに輻輳した組織運営を見直して費用節減ことを狙いとして、2016年からの全社活動を進めてきたネスレですが、その折り返しにあたり、購買領域ではサプライヤー集約を含めた運営体制整理をさらに進め、他業務を含む費用削減全体目標の2700憶円を2020年には必達するとの、ネスレCFOのFrançois-Xavier Rogerのインタビューが、5月24日のWall Street Journalに掲載されました。 購買・サプライチェーン領域では、優良企業とされるネスレですが、長年のグローバル展開の末に業務運営方式が混乱し、重複や局所肥大が発生していたとのことです。そして購買部門もその例に漏れなかったと。そこでネスレは、2016年から組織運営の重複や輻輳を解消し無駄な費用を抑制して、2020年には2,700憶円のコスト削減を目指す全社プロジェクトが、購買部門を含めて進てきました。 その中間折り返しのネスレCFOのインタビュー記事になります。 CFOは、2016年からの前半に購買部門およびバックオフィスにメスが入り、すでに購買部門では費用削減目標の65%を達成したとの成果を語りました。そこでは社内業務だけでなく、サプライヤー集約も行われ、2016年の15万社が1割減の13.2万社に整理されたとのこと。しかし2020年までに残り35%を達成するためには、欧州・北米・アジアの集中購買センターの通過率を現行の6割からさらに高めていくなど、手を緩めることなく進める覚悟が示されました。 またプロジェクトの前半では、製品レシピの見直しも行われた一方で、生産体制の整理は遅れ、目標の35%しか進んでいないことのことです。そこで今後は工場の統廃合を急ぎ、かつ北米の製品物流網の見直しも計画していると語っています。 ネスレは、2019年のGartner Supply Chain Top25の第3位(それ以前の3年もベスト10以内)の企業ですが、それでも手を緩めることなくサプライチェーンの最適化を進めています。 なお、このような活動により、ネスレの売上高に占める資本的支出(設備投資)比率は5.9%(2012年)から4.2%(2018年)に、売上高運転資本率は8.5%(2012年)から1.4%(2018年)、ROIは10.8%(2012年)から12.1%(2018年)と、財務指標も向上とのことです。 参考) Nestlé streamlines procurement, manufacturing to save $1B - Supply Chain Dive https://www.supplychaindive.com/news/nestle-operations-procurement-savings/555727/ |