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持続可能な調達の状況に変化?、重要度の認識は増すものの実施状況は低調に-EcoVadisレポート (2019-07-28)

持続可能な調達の重要度に関する認識は向上している(経営陣の支援も得られるようになっている)ものの、実際の適用面で低調化が進んでいるとの報告書が発表されました。自国優先などの風潮が進む中、トレンド転換が生じているのかもしれません。 サプライチェーンCSR評価サービス大手で日本にも進出しているEcoVadis社が、7月24日にニューヨーク大学との共同調査に基づく隔年レポート「Sustainable Procurement Barometer 2019」を発表しました。様々な地域・業種の210の購買部門、および399社のサプライヤー(中小企業にもさらに範囲拡大)が調査対象となっています。 レポートの要点は以下。 ■重要性の認識は高まる ・規制拡大やステークホルダーからの圧力の強まりもあり、ここ3年間で持続可能な調達への取組みが増したと回答した購買部門は81%に達した。 ・購買部門が過去3年間で重要度が特に増したとするのは、3領域のうち労働・人権(34%)、ビジネス倫理(33%)に対して環境(22%)。 ・しかし持続可能な調達の取組みは違反事例の摘発(compliance trap)が主体で、より長期的な改善視点ではない。 ■しかし実施状況は低調に ・ポリシーの面では、持続可能な調達のサプライヤー行動規範を制定している購買部門は64%。ただしこの値は2011年の調査開始以来最低となった(2011年:79%, 2013年:76%, 2015年:88%)。 ・持続可能な調達への各種ツールの適用率は、様々なツールが出てきているのに過去最低に。例えば、サプライヤー自己診断ツール(SAQ)の適用は47%(2013年: 62%, 2015年:57%)。 ・統合報告書や持続可能な調達報告書で、持続可能な調達の実施成果を外部公表しているのは60%。 ■課題 他 ・購買部門での実施課題のトップ3は変化なく、社内リソースの不足、サプライヤーの持続可能性を測定する有効かつ効率的な手段の欠如、費用。ただし経営陣の支援が得られないことを課題としたのは13%と大幅に減少した。 ・その他、持続可能な調達への取組みのリーダー企業の状況など、全部で60ページのレポートとなっています。 なおツール面では、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが、6月にCSR調達 セルフ・アセスメント・ツール・セットの中国語版を発表し、日本語、英語、中国語での無料入手ができるように、日本でも環境が整ってきています。 参考) 持続可能な世界実現のためのお役立ちシリーズ-グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン (含:CSR調達 セルフ・アセスメント・ツール・セット) http://www.ungcjn.org/activities/help/index.html 中国語版-http://www.ungcjn.org/activities/topics/detail.php?id=305