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物流費を理由の値上げは初めて、原料の天然ゴムは半値というのに...明日からタイヤが一斉値上げ―日経産業新聞他 (2019-07-31) | ||
物流効率が悪いこともあり、物流費高騰の影響を強く受け、明日から一斉値上げされるタイヤの事情を、7月31日の日経産業新聞が多角的に報じました。 この記事「物流高騰、タイヤ値上げ、コスト増吸収できず、各社あす一斉、悪循環招く恐れ」は現時点でネット上への公開リンクはありませんが、6月後半からの他紙に比べて最も多面的な解説と思います。(なお他紙のネット公開記事は参考欄を参照ください)。 ※日本経済新聞サイトに以下のリンクで8月1日に掲載されました。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47975580Q9A730C1X13000/ タイヤと言えばゴムの塊、すなわち半分がゴム(内訳-天然ゴム:合成ゴム=6:4)で、前回の2017年の6年ぶりの値上げの際にも、原材料費、特に天然ゴムの急騰が原因となりました。しかし今回は違うとする記事の概要は以下になります。 ・物流コストの高騰を理由にタイヤが8月1日から平均3%値上げされる。もはや各社のコスト削減で吸収できなくなったのが原因。 ・原材料費の上昇ではなく、物流関連費の高騰による値上げは、今回が初めて。 ・そもそも中央が空洞の形状で、かさばるタイヤは、他の荷物と比べて輸送効率が悪い。また大型車用は重量もあるなど、倉庫搬出入などで保管・運送の手間もかかる。 ・2015年頃から毎年数%上昇している物流関連コストに対し、輸送経路の短縮(地区倉庫から小売店直送など )、輸送手法変更(鉄道利用、他社との共同で往復物流など)の各社は工夫をしてきた。 ・さらに中国経済減速により、前回値上げの2017年比で主要原材料の天然ゴム相場は半値になっている。 ・しかしそれによるコスト減でも吸収できず、今回の値上げに至った。 ・なお、物流コストの一部を担うタイヤの値上げは、物流価格をさらに押し上げる可能性を含む。 物流効率が悪いものを主体に、今後は物流費への感度をさらに高める必要があると思われます。 参考) タイヤが2年ぶりの値上げ、理由が原材料費高騰でないのはどうして?、ブリヂストンなど3%、物流費が圧迫-ニュースイッチ(日刊工業新聞)(2019年6月20日) https://newswitch.jp/p/18103 市販用タイヤ値上げ相次ぐ 物流費高騰を要因に-ゴムタイムス(2019年7月1日) [各社の対応一覧表あり] http://www.gomutimes.co.jp/?p=144531 素材急騰!タイヤ3社が6年ぶり値上げ、最大10%、最終製品に価格転嫁の動き広がる-ニュースイッチ(日刊工業新聞)(2017年4月2日) https://newswitch.jp/p/8536 タイヤの値上げ相次ぐ ゴム価格が高騰-産経新聞(2017年4月4日) https://www.sankei.com/econo…/…/170404/ecn1704040030-n1.html ゴム製品値上げ、タイヤ、ベルトがおおむね出揃う-ゴム報知新聞(2017年9月19日) https://gomuhouchi.com/tire/8583/ |