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公取委が知財無償提供強要の優先的地位の濫用疑惑ででアップルを調査。型管理の有識者協議会も始まる-毎日新聞など (2019-08-09) | ||
知的財産と型管理は、世耕プラン(企業間取引の適正化)の今年の重点項目ですが、アップルによる知財無償提供契約の強要が報じられるとともに、型管理に関する有識者協議会の初会合が開催されました。両方とも継続して留意が必要と思われます。 ■知的財産(知財)保護 昨秋実施の企業間取引に関するアンケート調査とそのフォローアップ聞き取り調査結果が、今年6月14日に公正取引委員会から実態調査報告書として発表されました。その中の事例にサプライヤー提案の知財をアップルおよび関連会社が無償利用できる契約内容を強要されたとの、電子・光学関連部品メーカーや化学工業メーカー約10社の回答が含まれるとのこと。ただし回答した日本企業は、(2014年の島野製作所とは異なり)いずれも大企業であるため、独禁法上の弱者として扱えるかを公正取引委員会が精査中としています。 事態の概要は以下(記事に応じて、サプライヤー側からの視点になっています。)。 ・商談開始時に以下の内容の契約締結を要求される ・サプライヤーが提供する知財はアップルとその関連会社が無償で利用可能 ・サプライヤーは、その知財をアップル以外の企業に提供不可 ・アップルとの係争発生時は、解決にかかる費用は全額サプライヤー負担 ・修正を求めても応じることはなく、取引中止をちらつかされる ・世界的なIT企業とのビジネス関係を失いたくなく、条件を呑まされてしまった 参考) 巨大ITの知財吸い上げに不満 公取委調査 日本企業「アップルに折れた」-毎日新聞 (2019年8月6日) https://mainichi.jp/articles/20190805/k00/00m/020/319000c アップルが日本企業と知財無償提供契約 公取委調査-毎日新聞 (2019年8月7日) https://mainichi.jp/articles/20190805/k00/00m/020/333000c 優越的地位の濫用でサプライヤーの知的財産権や生産ノウハウを不当に吸い上げ事例726件と公正取引委員会が発表-時事通信ほか-It's購買系 (2019年6月15日) https://www.facebook.com/itscobuy/posts/2491242330906996 ■型管理 型管理の改善が進まないのは、型の廃棄や返却、保管期間など型管理の目安(ガイドライン)が無く、管理をどうすればよいのかが理解されていないのではとの観点から、経済産業省は官民有識者協議会を発足して、管理の目安を策定すると、今年4月に発表されていました。 その有識者協議会の初会合が8月6日に開催されたとの報道がありました。 協議会は、神奈川大学の細田孝一教授が座長となり、中小企業経営者、九つの業界団体の代表、弁護士らの委員で構成されるとのこと。初会合では、型管理の実態やルール作りの狙いが委員に示され、委員間の意見交換があったとしています。 今後は作業部会が結成され、そこで詳細を詰めた結果から、10月には報告書(目安が提示されると想定)が提出されるとのことです。 参考) 経産省、型管理で官民協議会 保管期間目安など10月に報告書-日刊工業新聞(2019年8月7日) https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00526973 経済産業省、下請け型管理の適正化の足踏み解消に向けて、自発的改善の”目安”作成へ-日刊工業新聞 -It's 購買系(2019年4月17日) https://www.facebook.com/itscobuy/posts/2388061104558453 |