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3つの”E”で指標再定義を:ハケットの最新レポート-購買業績指標の再定義提案とリスク対策に注目集まるーSpend Matters他 (2019-09-29)

3つの”E”で指標再定義を:ハケットの最新レポートー購買業績指標の再定義提案とリスク対策に注目集まるーSpend Matters他 #COBUY https://spendmatters.com/2019/09/26/hackett-finds-stark-differences-in-typical-digital-procurement-use-vs-world-class-digital-transformation/

調査会社The Hackett Groupが5月~6月に、以下のレポートを発表しました(ダウンロード入手可能)。
2010年代のコスト削減率がもはや伸びないという状況を受けて、購買部門の提供価値をどう考えるかはHackett Groupが調査レポートで考察を続けてきたテーマですが、特に前者のWebnirでさらなる進化が見られました。また、後者はリスク管理を考える上での参考資料に役立ちます。

・World-Class Procurement: Redefining Performance in a Digital Era (2019年5月24日)
・Integrated Risk Management: A Procurement Playbook (2019年6月)

■World-Class Procurement: Redefining Performance in a Digital Era
(デジタル時代にあって業績指標を再定義するー世界レベルの購買業務とは)
レポート本体が9月26日のSpend Mettersで採り上げられるとともに、9月25日にはWebinarが行われました。
そのWebinarの内容がレポート本体を越えた素晴らしいものでした。そこでまず、Webinarの内容から採り上げます。

Webinarの内容は、次の4つの部分から構成されていました。
1).Where are we today? – Our traditional value measurements(現在の位置づけー従来の価値指標)
2).Why change? – Today’s dynamic environment(なぜ変更ーダイナミックな環境の現在)
3).So, where do we go? – Modern methods of value creation/Emerging methods of value creation
(ではどうするのか ー 最新/これからの購買による価値創造)
4).Final thoughts (考察のまとめ)

主な内容は、下記になります。
・Hackttが調査してきた16年間、購買の提供価値として最重要視されてきたのはコスト削減だった。
・しかし現在、購買部門はCSR、法規制、付加価値提供、イノベーション促進、セキュリティなどへの対応を迫られている。さらなる迅速性が求められ、それに対応するデジタル化が必要になっている。
・そこでは、従来からのEffectiveness(コスト削減効果)とEfficiency(効率化)に加えて、Experience(組織内外での体験)の3つの”E”の観点の追求が求められる。エラー率とか処理期間など。
・そのためには、購買サービスモデルで考える必要がある。その構成要素にはスキルや組織などがある(概要説明)

[ここまでが、レポート本体、以降Webinar(ページ数はプレゼン資料)]
・提供サービスのレベルを考える際には、相手の立場(CxO, 要求部門, サプライヤー、自部門など)に立ってレベル分けをしてみる必要がある(18~20ページ)
・提供サービス価値も最新、今後と変化してくる。提供価値の最新事例をリスク、サプライヤー多様化、運転資本で示してみる(21~25ページ)

■Integrated Risk Management: A Procurement Playbook
(統合的なリスク管理: 購買業務での作戦帳)
受け身のままでなく、体系的で公式のリスク対応・供給保証プログラムを考える必要があるのではないかという問題意識のもとに、リスク管理業績調査結果をまとめたレポートになります。対応策を考えるうえで、参考になる資料と思われます。(Ivaluaサイトより入手可能)

主な内容は以下になります。
・リスク管理業績調査の回答者の48%が供給保証を最重要項目とした。時点は法規制遵守の31%。
・その最大の障害は、人材を含めたリソース不足。時点は部門としての受け身対応。
・体系的で先回りのリスク対応プログラムを作成するには、次の9ステップが望まれる。
 Step1: 問題に対する概要レベルの目標を設定する
 Step2: 現状を明らかにするデータを収集する
 Step3: 課題と改善機会を探るためにサプライヤー群の状況モニタリングを行う
 Step4: 想定事態に応じたリスク軽減策を立案する
 Step5: 重要性と容易性から、品目ごとにリスク軽減策の優先順位付けを行う
 Step6: 品目ごとに起こりうるリスク事態を抽出する
 Step7: 市場の成熟度などを考慮して、リスク発生率を推定する
 Step8: リスク事態ごとの想定損害金額を明確化する
 Step9: 発生率と損害金額からのリスクの大きさからリスク対応プログラムをまとめる

・リスク管理には、サプライヤー、市場、社内組織、情報技術といった視点を統合的に考える必要がある。

参考)
Webinar録画-World-Class Procurement: Redefining Performance in a Digital Era (Amy Fong, 2019年9月25日)
(プレゼン資料のPDFもPresentation Deck! として入手可能)
https://event.on24.com/wcc/r/2064882/546923CA7580D4FE114825ACBB8B58F5

Beyond savings: How procurement departments can digitally transform and elevate to world-class status-Spend Matters
http://spendmatters.com/2019/10/01/beyond-savings-how-procurement-departments-can-digitally-transform-and-elevate-to-world-class-status/

World-Class Procurement: Redefining Performance in a Digital EraーThe Hackett Group
https://www.thehackettgroup.com/world-class-pro-1905/

Integrated Risk Management: A Playbook for Procurement-Ivalua
https://info.ivalua.com/hackett-risk-management?utm_campaign=2019-09_Hackett%20Risk%20Mgmt%20Report