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未来に向けて、購買業務を根本から見つめなおせ-A.T. Kearney (2019-10-14) | ||
購買コンサルティング老舗のA.T.カーニーから、9月4日に以下の2本の論考が発表されました。 ・購買の未来ー購買業務を根本から見つめなおせ(The Future of Procurement: Rediscovering the Fundamentals) ・購買分析について語られてきたことはほぼすべて間違い(Nearly Everything You’ve Been Told About Procurement Analytics Is Wrong) どちらも興味深いタイトルですが、より広範な内容の上について長文ですが要約をを記してみます。ちょっと未来的な内容も含まれていますが、なかなか骨のある論考と思います。 ■購買の未来ー購買業務を根本から見つめなおせ 購買部門は、即座に変革しないと、時代遅れのオワコンになるとの副題で始まるこの論考では、サブタイトルが以下のように連なっています。 ・購買部門は今後の存在すべきなのか? ・なぜ購買部門が存在するのか(購買部門の存在理由は?) ・実成果がある事業価値創造購買に突入しなければならない ・マクロトレンドと技術面で生じている変化にも要対応 ・(代替的な手段が登場し)業務の基礎が変わりつつある ・購買業務を根本から見つめなおせ 概要は以下になります。 ・テクノロジーや新サービス(Amazon Business)などが台頭する中、購買部門の存在価値が疑問視され、”お荷物視”される場合さえ生じている。現状のままで企業の購買部門は続くとは思えない。 ・購買の存在意義とは、サプライヤーが提供するものを事業面の提供価値に変換する支援をすることではないのか。 ・その事業価値創造購買(Disruptive Procurement)の実現にじは、次の3本柱が必要である。 -戦略ソーシング(Strategic Sourcing) -サプライヤー管理(Supplier Management) -購買部門による総合的な仕組み構築・推進(Orchestration of the procurement engine) ・現在の事業環境は、グローバル拡大し、業界の壁をも越えてきている。一方で政治的な供給市場の混乱も生じている。 ・情報技術面では多くの購買部門が20年前から変われていないが、技術は進歩している。 ・購買システムも、一括機能製品から、様々な機能を導入企業が組み合わせて利用する時代が来る。 ・組織面でも、中央集権的な体制ではいられなくなり、より事業部門に入り込んで対応する役割になっていく。 ・またAmazon Businessなどの購買代替手段の出現は、要求部門の期待値の変化を促していくだろう。 ・このような状況が、購買部門の担当領域の変化を呼ぶ。現状の単純で定型的範囲から、不定形で複雑な領域へと進まんばならない。 ・さらに購買部門の業務実施モデル(オペレーティングモデル)を根本的に変えてしまうことになるだろう。例えば、 ー 直接材と間接材といった経理区分に応じた購買組織の分担は消滅するのではないか - 事業・製品に沿った購買組織編成が取られるようになる -購買活動は、製品開発により密接に貢献するものになる -自社他部門と一体化した活動で成果を上げ、サプライヤーからそのための価値を的確に引き出すようになる ・これらを念頭に置いて、購買部門の業務の根本からの見直しが必要になっていないだろうか。 ■購買分析について語られてきたことはほぼすべて間違い 一方で、もう1つの論考は、過去事実の調達データ分析を金科玉条的に重視するのではなく、支出分析も予測や総合的な洞察を的確に与えてくれるものに変化していく必要が語られています。前述の論考の内容も受けて、データ分析の見直しを論じています。 参考) Nearly Everything You’ve Been Told About Procurement Analytics Is WrongーA.T.Kearney (2019年9月4日) https://www.atkearney.com/procurement/article/?/a/nearly-everything-you-ve-been-told-about-procurement-analytics-is-wrong |