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化学業界の購買部門が会社の税引前利益を3~8%Upするに必要な3つの施策ーマッキンゼー (2019-10-14)

最近、購買領域に積極的な戦略コンサルティング会社マッキンゼー社ですが、10月4日には化学業界を対象にした論考を発表しました。ただし、先程のA.T.カーニーの論考に比べて、最近頻出の業界別論考のようにも思えてしまいます。ちょっと飽きてきました。そこで、最後に3月11日のブログ記事も最後に言及してみました。

化学業界の購買部門は、コスト削減成果面では中位の下とのことです。しかし購買部門が扱える支出が売上の5~7割あるため、それを6~12%削減すれば、税引き前利益を3~8%引き上げる可能性があると、まず指摘しています。(このような企業業績の全体視点で論考を始めるあたりは、さすがマッキンゼーに思えます)。

ではどうしたらよいのか...それがこの論考のテーマです。
そして化学業界での成功事例を上げながら、3つのデジタル化利用施策を提示していきます。

第1のは、データ分析能力の強化。様式がバラバラなデータを自動整形し、品目ごとに支出状況を明らかにすること。その上で人工知能も使った価格予測(人間の勘に頼らない)機能を整備すること語られます。原材料も含んでのため、これが最初に来ているようです。

第2は、社内とサプライヤーを含んだEnd-to-Endコラボレーション。MROなどコスト明細分解ができるものではコストモデルでShould-costを明確にするとともに、見積~支払までの統一の仕組みでサプライヤーも社内部門も業務を行い、業務スピードを向上する。

そして第3は、プロセス自動化・最適化ツールの導入。

(...で、ここまでだと最近頻出の業界別アプローチ論考のようで、面白味ないかもしれません)

しかしより興味深いのは、同じ「The Global Procurement Excellence survey」調査結果をネタに書かれた3月11日のブログ記事です(参考欄参照)。そこでは、トップ成績の購買組織は自己能力を適正に把握しているが、それ以外は自己能力を過大評価している傾向があると指摘されます。

それと同じ調査結果に基づくとすると、化学業界の購買は(もしかするとトップ以外の他業界も)自己を過大評価をして、立ち止まっていませんかという含意があるようにも思えました。なおブログ記事では、注力すべきはソフト領域、特に意欲を高める人材施策を油断なく実施することが必要と述べられています。

参考)
Do you know what your procurement function can—and can’t—do?-Mckinsey blog(2019年3月11日)
https://www.mckinsey.com/business-functions/operations/our-insights/operations-blog/do-you-know-what-your-procurement-function-can-and-cant-do