調達購買関連 最新トピックス |
予測2020: "仕掛ける購買部門"に変わるための5つのシフトチェンジが必要になるーGartner (2020-01-08) | ||
様々な団体やベンダーなどから、2020年の購買業務予測が出てきていますが、その中で際立っているとに思われるのが、調査会社ガートナーが発表した「Procurement in 2020 and Beyond: 5 shifts procurement must make for the future (2020年以降の購買: 未来のために購買がなさねばならぬ5つのシフト」と考えます。 この論考は「Procurement 2020: Your action plan to prepare now (購買2020: 今アクションプランとして準備すべきこと)」という題でガートナーが発表したものが、「Procurement in 2020 and Beyond」と改題されて現在も提示され続けています。ガートナーがこの論考を重要と認識し続けている証左のように思えます。 論考での設定課題は、購買部門の価値が「コスト削減と供給確保」から「事業への付加価値貢献と迅速対応」に変化していく中、役割分担や業務提供方法も根本的に変えていかねばならない(シフトしなければならない)のではに置かれており、それを4つの観点、「購買部門の役割(Procurement’s role)」「事業部門の立場(Business role)」「業務提供モデル(Delivery model)」「人材とシステム(Resources)」で整理しています。 今後の購買部門が変化(シフト)すべき方向性は、各観点ごとに以下のように提言されます。 ・購買部門の提供価値: コスト削減と供給確保 → 事業への付加価値貢献と迅速対応 ・購買部門の役割: 購買ソーシング実践部門 → ソーシング活動のアドバイザー(補助・助言者) ・事業部門の立場: 購買部門のお客様 → ルールに準拠して購買業務を実践(代行エージェント) ・業務提供モデル: 唯我独尊の独立部門 → 品目カウンシルと要求元補助・助言の2元機能化 ・人材とシステム: 実践スキル保有者と専門システム → 補助・助言の専門家と要求元用システム 要するに「グローバル集約のような特殊集中購買以外は、実務をやらない購買部門(実務は要求元が実施)」が提言されています。 購買の役割は、単なるコスト削減屋から事業部門の付加価値価値創出にシフトすべきとの論議が2010年代を通して行われてきました(調査会社ハケット・グループが指摘するように、2010年代になって思うようにコスト削減が進まなくなったことも背景にあります)。 しかし考えてみると、集中購買組織の品目カウンシル組織が最上とする前提で議論が進んでいなかったでしょうか。でもこの組織概念は、25年も前に、事業付加価値創造による貢献といった考え方が存在しなかった時代に生み出されたものです。 その役割分担や組織体制の考え方は、現在のニーズにいまだ本当に合致しているのか...そのような異議申し立てがこの論考で行われ、さらには他でも様々に噴出してきているように思えます。 例えば、2019年12月発表の、体裁を変えたハケットグループの「2020年の重要課題レポート(20200 Key Issues Study.)も「購買業務提供モデルをどうすべきか」に内容の重点の置き方が変化しています。 さらにはCIPS(Supply Management)でも、品目カテゴリー体制の枠組みよりも、発生自体ごとのプロジェクト方式で柔軟対応する方がスムーズであるとする、英国のWhistl社(配送会社)の意見が11月に掲載されました。(下記の「参考」のリンク参照) このように2010年代の「事業付加価値を提供する購買部門になるという:命題を受けて、購買部門の機能、役割分担、組織体制の見直しを具体的にどうするかの議論が活発化してきているようです。 その他最近の購買トピックス~品目カテゴリー管理の凋落?、人情取引の廃れ、新規勢力の躍進-Coupa、Amazon BusinessーIt's購買系 (2019年12月31日) ※「■品目カテゴリー管理の凋落?」を参照 https://www.facebook.com/itscobuy/posts/2897311076966784 Why Whistl moved away from category managementーCIPS (Supply Management)(2019年11月23日) https://www.cips.org/en-SG/supply-management/news/2019/november/why-whistl-moved-away-from-category-management/ |