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鉄鋼大手の苦境にトヨタも譲歩、受け入れ基準緩和により協調してコストダウンを進める方向にー日本経済新聞 (2020-02-13) | ||
国内需要の伸びも見込めず、中国鉄鋼メーカーの過剰生産による市況悪化により、過去最大の赤字が見込まれ、呉製鉄所閉鎖と和歌山の高炉1基休止を発表した日本製鉄(もはや通常のコストダウン余地は乏しい)に対し、トヨタは品質基準緩和の協調策を取ったうえで、さらにコストダウンを求めていくことが、2月5日の日経新聞に掲載されました。直接材でのユーザー要求マネジメントの一例になると思います。 日本製鉄とトヨタの価格交渉は大手同士の「チャンピオン交渉」と呼ばれ、半期の鋼材価格(ベース価格)相場を決めてしまうものとして、注目を集め、都度報道もされてきました。一方でエキストラ(板厚、広幅、特殊加工など標準ベース品への追加価格)は、ずっと据え置かれてきたとのことです。しかしア景況感向上(および人手不足など)で本来は上がるはずを据置きされていたとのことです。 このエキストラに対しても、日本製鉄が価格交渉に着手したことが、1月16日のに計新聞で「日本製鉄、背水で臨むトヨタとの聖域なき交渉」として報じられました。その記事では「(特定需要家向けの)ひも付きは他の市況品とは全く違う、大変厳しい品質や供給の管理をしている。研究開発や量産化のための設備投資も含めてかけている経営資源は相当なもの。なのにコストに見合ったエキストラ価格になっていない」との日本製鉄の橋本社長のコメントも掲載されました。 しかしトヨタもさらなるコストダウンを追求するものの、近年はコストダウン幅が減りつつある状況にありました。そのような状況下、トヨタの要件である受け入れ基準(重量・サイズ・品質など)を緩和することで、鉄鋼メーカーのロス削減、さらにはトヨタのコスト削減の原資としていく方向と思われます。 このような動きを、「トヨタの工場優先」の視点から「サプライチェーン(供給網)全体の最適解」へ姿勢を転換してきていると、日本経済新聞の記事は報じています(その他にも、様々な示唆がある記事と思います)。 参考) 日本製鉄、背水で臨むトヨタとの聖域なき交渉ー日本経済新聞 (2020年1月16日) https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54420150V10C20A1000000/ |