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「我社の新型コロナウイルスの影響可能性は」、P&G経営幹部が明確に影響範囲を説明ーForbes他 (2020-02-26)

様々な企業から新型コロナウイルスの企業業績への影響説明が出されています。一方で、P&GはCFOが2月20日のアナリスト説明会で「我社は387社の中国サプライヤーから9000種以上の原料を調達しており、17,600製品に影響が出る可能性があります」と具体的な数値を説明したことで、危機対応の側面で良い注目を集めています。

企業の、特に経営マネジメントにとって不測事態が発生した際に、その影響範囲がまず特定できることが重要です。その上で最良の施策の選定と実施進捗管理ができるべきです。「無理を言えそうなサプライヤーがいますので、ちょっと調整してみます」といった個人の伝手ベースでの購買部門の曖昧対応をされたら、イラつきが増すだけですし、失敗でもしようものならばいっきに購買部門の信用が失墜しかねません。

企業経営の視点で見れば、まず影響の可視化ができ、その解決状況を共有しつつ、最適な企業活動策を採れていることが重要になります。確かに自動車よりは複雑さが少ないサプライチェーンかもしれませんが、「P&Gはやはりすごいな」とCIPSを始めとして、各種メディアで採り上げられています。

不測事態が発生した場合は、組織対応の前提となる影響範囲の可視化がまず求められます。購買部門もモグラたたきに陥らずに、企業経営側面にきちんと対応する可視化ができることが必要と考えられます。

参考)
P&G warns 17,600 products possibly hit by coronavirus ーCIPS(Supply Management) (2020年2月21日)
https://www.cips.org/en-SG/supply-management/news/2020/february/pg-warns-17600-products-possibly-hit-by-coronavirus/

P&G expects coronavirus outbreak to hit current-quarter revenue, profitーReuter (2020年2月21日)
https://www.reuters.com/article/us-china-health-procter-gamble/pg-expects-coronavirus-outbreak-to-hit-current-quarter-revenue-profit-idUSKBN20E279

Commentary: Supply-Chain Risks From the Coronavirus Demand Immediate Action ー Wall Street Journal(2020年2月18日)
https://www.wsj.com/articles/commentary-supply-chain-risks-from-the-coronavirus-demand-immediate-action-11582054704