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町工場の3分の2が売上2割以上減で回復の見込みもなし、自動車メーカーの生産調整も続くーに関自動車新聞他 (2020-06-15)

板金・切削加工の製造業向け自動見積・受発注プラットフォームを提供するスタートアップ企業のキャディが、その顧客の機械メーカーと、仕事を請け負う町工場の全国301社を対象に行った、新コロナ禍の調査結果(6月11日発表)がフジテレビ系列(FNN)などいくつかのメディアで取り上げられました。そしてその結果は、特に仕事を請け負う町工場(サプライヤー側)に厳しいものとして表れています。

サプライチェーンの影響の面では、町工場は顧客からの発注減少・停止、および材料屋・外注先の休業・廃業など両面からの影響を受けており、その結果、町工場の3分の2が売上が2割以上減少し、さらに9割以上が6月以降も売上減見込みと厳しい状況になっています。

一方で、買い手企業側でも一部部品供給途絶あるいは市場の需要減から、自動車メーカーでは、三菱自動車は、水島軽自動車ライン以外を6月末まで停止、ホンダも四輪車で7月に断続的に生産停止になると、6月12日の日刊自動車新聞で報じられました。また、6月11日のトヨタ株式総会は、2021年3月期の連結営業利益は黒字確保も前期比8割減になる見通しが発表されました。

特に資金力に乏しい中小サプライヤーには、厳しい状況が生じていきそうです。

また新コロナ禍でフィリピンからの製品出荷が一時停止した古河電工が、複数生産拠点で同一製品を生産できるように供給網見直しを始める旨の報道が6月11日の日本経済新聞でありました。(大企業ではありますが)その場合、複数拠点で生産設備を補油するなどの冗長性が生まれ、ひいてはコスト高につながる危惧があります。
需要を伴わないサプライチェーンの再編成、特に冗長化は、厳しい状況を生むことになりかねません。
(場合によると、将来の価格転嫁につながってくる可能性もありえます)。

参考)
町工場の66.7%は売上2割以上減、9割は6月以降も回復の見込みなし【機械メーカーと町工場、計301社に調査】 - キャディ(プレスリリース)(2020年6月11日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000039886.html

国内工場の生産停止続く 三菱自動車は6月末まで ホンダは7月も調整 コロナで需要減や調達難-日刊自動車新聞(2020年6月12日)
https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/7a06645eb41115fd017a76e00f3e35fa3f484555/

古河電工、供給網の見直しに着手 中計達成は不透明-日本経済新聞 (2020年6月11日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60277310R10C20A6X96000/