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サプライチェーンの新コロナ禍のピークは過ぎた、コロナ後を考え始めているーProcurious (2020-06-27) | ||
英国の購買ネットワーク団体であるProcuriousが購買・サプライチェーン担当者605人に調査したところ(調査期間は4月28日~5月12日)、97%が新コロナ禍の影響を被ったものの、財務的な不確実性のピークはすでに過ぎ去ったと考える回答者の比率が3分の1に達しているとのことです。 調査レポートは6月11日に「HOW NOW? Supply Chain Confidence Index」という題で発表されました。 主な内容は、以下になります。 ◆COVID-19でのサプライチェーン断絶被害 97%の回答者が、何らかのサプライチェーン断絶の被害を被ったとしています。しかし被害規模では、深刻だったのは17%のみで、そこそこが約5割を占めています。要因別に見ると、需要減が31%,、供給途絶・遅延が26%, 輸送手段(ロジスティック)の断絶・遅延が21%, 行動制限による実行力や生産性低下が19%となっています。 ◆財務的な不確実性のピーク 4月末~5月上旬の調査ですが、既に過ぎ去ったが34%, 6月が15%,7~8月が21%,9~12月が13%,不明が13%となっています。経済的混乱で収益不透明のピークは過ぎたと3分の1が考えています。特にミレニアル世代の若手の方がその傾向が強くなっています。 ◆対応の状況 サプライヤーからの供給断絶への対応については、さほど問題が生じてない状況のようです。回答者の79%が代替サプライヤーを手配できており、新規にサプライヤーを探索する場合でも、3週間以内に53%が確保し、さらには1週間以内も18%。そして新規に代替サプライヤー探索を行う必要が無かった(既に判っていた)と回答した企業が45%もあり、これは驚きとしています。逆に言えば、大規模で継続的な被害が生じた企業は、意外に少なかったのかもしれません。 また、サプライヤーへの支払いはサイトを短縮した企業もあれば、自社のキャッシュ不安から遅らせたているところもあるなど、両極のようです。 ◆今後の方向性は、大きく変化するなものになる そして73%の回答者は、購買・サプライチェーンの方向性の大きな転換(戦略シフト)を考えています。 その主な対策は、以下のように報告されています。 ・サプライヤー基盤(Supply Base) の拡張:38% ・グローバルサプライチェーンの範囲縮小(シュリンク):34% ・在庫レベルの積み増し:21% ・主要サプライヤーへの財務支援:9% また、強化する業務領域としては、サプライヤーリスク管理(36%)、サプライヤー管理(23%)、分析(21%)、契約管理(19%)、支出管理(15%) Procuriousとしてはこれまでにない本格的な調査レポートで、様々な情報ソースでも取り上げられています。そして現時点で経済的落ち込みが最大と想定されている(IMF予測など)欧州では、次への気運がどうなっているかを垣間見れる内容かと思います。 参考) Supply Chain and Procurement Leaders Anticipate Seismic Post-Pandemic Strategy Shifts as Executives Brace for Peak of Impact-Press release (2020年6月11日) https://www.businesswire.com/news/home/20200611005196/en/Supply-Chain-Procurement-Leaders-Anticipate-Seismic-Post-Pandemic 1 in 3 procurement leaders: We're past the peak of coronavirus disruption-Supply Chain Dive (2020年6月18日) https://www.supplychaindive.com/news/coronavirus-survey-procurement-leaders-disruption-already-peaked/580107/ Report: Seismic changes ahead for global supply chains-CSCMP's Supply Chain Quaterly(2020年6月22日) https://www.supplychainquarterly.com/articles/3569-report-seismic-changes-ahead-for-global-supply-chains |