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地方の中小製造業サプライヤーの生産は回復せず、新しい取引先開拓などの努力はあれど、疲弊は進むー河北新報など (2020-08-24)

8月21日に出された東京商工リサーチの全国調査レポート「「廃業検討率」8.5%の意味するもの」では、「中小企業(資本金1億円未満、個人企業等)の「廃業検討率」が8.5%で、特に個人向けサービスを展開する業種の廃業検討率が平均を大幅に上回っている」との結果が提示されました。さらにレポートでは、より零細な飲食店などの実態が拾いきれていない状況への言及はありましたが、企業間取引の製造業サプライヤーについては、言及がありませんでした。

しかし同じころ、地方の製造業サプライヤーの苦境を示す記事が相次いで地方紙で報道されています。
河北新報(宮城県)では、東京商工リサーチ東北支社が東北地方を調査した結果を報じました。東北地方の廃業検討率は7.8%とのことですが、検討している業種は旅行業などサービス業、製造業が多いと、地方では「製造業」が入ってきます。

群馬銀行系のシンクタンク「群馬経済研究所」による群馬県の自動車産業の状況調査では、5月下旬~6月中旬のタイミングではありますが、県内160社からの回答によると、84%の企業が赤字操業に陥っている。元受けからの支援は66%が受けれず、特に従業員10名以下の小企業では8割が受けれていないとのこと。

また、北陸地方では、受注が戻らずに9月以降も生産調整を予定していることを北國新聞が報じ、長野県の伊那地方でも4月~6月調査ですが全業種で操業調整が発生しているなどの報道が相次いでいます。

一方で、トヨタ系では受注が戻ったとするアイシン軽金属や大橋鉄工秋田などの事例もありますが、従来と異なる業種に進出するなどの努力を続けながら、厳しい状況に陥っていく中小サプライヤーがこれから出てくる兆候が出ていると思われます。

参考)
「廃業検討率」8.5%の意味するものー東京商工リサーチ (2020年8月21日)
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200821_01.html

東北企業、新型コロナ長引けば廃業検討7.8% 民間調査-河北新報 (2020年8月22日)
https://www.kahoku.co.jp/special/spe1211/20200822_09.html

新型コロナ 県内の自動車部品製造企業 8割が赤字操業/群馬 -毎日新聞 (2020年8月20日)
https://mainichi.jp/articles/20200820/ddl/k10/040/064000c
http://www.gunma-eri.or.jp/research/pdf/jisseki202008_2.pdf

受注戻らず、9月以降も生産調整 北陸の製造業-北國新聞 (2020年8月21日)
https://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20200821301.htm

新型コロナ、中小企業の対応 影響全業種にー長野日報Web
http://www.nagano-np.co.jp/articles/66265

中小の6.7%が廃業検討 九州・沖縄 東京商工リサーチ調べー日本経済新聞(2020年8月27日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63108240X20C20A8LX0000/

受注回復、通常稼働に 自動車部品製造・大橋鉄工秋田-秋田魁新報 (2020年8月8日)
https://www.sakigake.jp/news/article/20200808AK0005/