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2019年度下請法取り組み、調査数は4万5千社増も、立ち入り検査・改善指導件数は横ばい、違反件数は減少ー日刊工業新聞他 (2020-08-31) | ||
8月22日に「令和元年度(2019年度)における下請取引の適正化に向けた取組等」の取りまとめ結果が、経済産業省・中小企業庁から発表になりました。内容は昨年度と同様に「下請法の執行状況」「下請かけこみ寺事業等の実施状況」「取引条件改善に向けた取組」の3部構成となっています。 その概要は以下のようになっています(カッコ内は昨年度) 1.下請法の執行状況 ・親事業者5万社(4万5千社)・下請事業者25万社(約20万社)に対し書面調査を実施。 ・その結果、親事業者855社(830社)に立入検査等を実施し、705社(738社)に対して書面による改善指導等を実施。 ・実体規定違反は446件(昨年489件,一昨年689件)で、7割は支払遅延と下請代金の減額。 ・手続規定違反は117件(昨年1298件,一昨年1502件)で書類不備・未交付が618件、未保存が553件。 ・書面調査は増加しているが、違反行為は減少してきています(一昨年からは大幅減少) 2.下請かけこみ寺事業等の実施状況 ・下請かけこみ寺の相談員による相談受付件数は9,450 件(昨年の 8,381 件より増加) ・弁護士による無料相談474件及び裁判外紛争解決手続(ADR)の調停申立22件(昨年18件) ・より多くの利用が行われるようになっています。 3.取引条件改善に向けた取組 ・従来の重点3課題に「知財・ノウハウの保護」「働き方改革に伴うしわ寄せ防止」を追加し、重点5課題として取組を推進 ・型取引の適正化について、協議会を開催し、報告書を取りまとめ ・2020年1月に振興基準を改正 ・下請Gメンによるヒアリングは4,566件(昨年度は4,571件) 重点的な取り組みにより違反件数は減少傾向ですが、書面調査は大幅に増加し、かつ下請駆け込み寺の利用も増えていることから、買い手企業(親企業)側の違反行為の発生には今後も留意が必要と思われます。 参考) 令和元年度における下請取引の適正化に向けた取組等をまとめましたー経済産業省(2020年8月20日) https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200820003/20200820003.html 平成30年度における下請取引の適正化に向けた取組等をまとめましたー経済産業省(20⑲年8月16日) https://www.meti.go.jp/press/2019/08/20190816003/20190816003.html |