調達購買関連 最新トピックス |
間接材購買アウトソーシングの限界指摘と、より精緻な対策立案を目指し、マッキンゼー5年ぶりの論考を発表 (2020-12-15) | ||
戦略コンサルティング会社マッキンゼーが、5年ぶりに間接材購買アウトソーシングの機能・範囲などに関する論考「間接材購買: 社内実施、もしくは外部委託、それとも両立(Insource? Outsource? Or both?)」を発表し、社外ベンダーへの丸投げの限界を指摘しました。 マッキンゼーは2015年5月に論考「購買業務アウトソーシングによる価値創出(Creating value through procurement outsourcing)」を発表し、アウトソーシングに向く品目カテゴリと不向きな品目カテゴリがあること、そして向く品目カテゴリを対象とすべきことを述べながら、留意して購買業務アウトソーシングを導入することを勧める、やや前途バラ色的な内容のものでした。 それに対して、今回の論考では、購買業務アウトソーシング実施で生じる、以下の課題を取り上げます。 ・コスト削減の機会の4分の1程度しか実質的に捉えらない ・最初は目覚ましい成果を出しても、数年経つと効果が伸び悩む「低空飛行」状態に陥る 購買業務アウトソーシングは、社外の専門知識活用、最新デジタルツールの利用などの利点の一方で、前述の課題に至る原因として、以下の事項があげられます。 ・サプライヤー集約や価格交渉には秀でるが、社内部門への影響力に限界があり、いわゆるユーザーマネジメントの効果が達成できない ・一気に効果創出に邁進するので最初の1~2年は大きな効果が出るが、知見・ノウハウが切れて長期継続の効果を出せない かといって、一旦アウトソーシングするとノウハウが蓄積されず、社内に戻すことが覚束なくなる問題も発生します。ただし、もちろん継続的にアウトソーシングしてしまった方がよい品目カテゴリもあります。例えば、仕様調整などのユーザマネージメントが不要な汎用品などは、アウトソースしてしまった方が有利になります。また、自社で実施するよりも社外の専門家に任せてしまうべき(自社で実施能力をつかることができない)品目もあります。 そこで社内に残すか、アウトソーシングするか、アウトソーシングしたあとで社内に戻すかなどの判断を品目カテゴリーごとに「戦略的重要性 x 自社の業務実施能力」や「自社購入金額 x 自社の業務実施能力」のマトリックスで分析して、バランス良く適正に決定していくという、5年前の論考よりも具体的な考え方が、今回の論考では取り込まれていると思います。 参考) Creating value through procurement outsourcing-Mckinsey (2015年5月1日) https://www.mckinsey.com/business-functions/operations/our-insights/creating-value-through-procurement-outsourcing |