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ポストコロナを見据えた提言レポートが本格化し始める、Capgeminiは7つの検討領域を示唆し、4つの検討ポイントを提示 (2021-01-15)

新コロナ感染拡大第3波の渦中ではありますが、ここまでの教訓を活かしてコロナ後(ポスト・コロナ)でどのようなアクションを取るべきかが議論が主流化しつつあるサプライチェーン領域です。
そこで共通するのは、徹底的に合理性を追い求める従来の「Just-in-time(JIT)」型から、不測の事態にも対応できる万一の備えがある「Jusi-in-case(JIC)」型への移行、「From JIT to JIC」をスローガンのように示していることです。

そのような状況下、コンサルティング/アウトソーシング会社のCapgeminiから調査結果を踏まえた、44ページにおよぶレポート「Fast forward: Rethinking supply chain resilience for a post-COVID-19 world(要早送り対応: ポストCOVID-19の世界でのサプライチェーン・レジリエンスを再考する)」を昨年11月末に発表しました。レポートの問題意識は、回答企業の77%が今後3年以内にサプライチェーンの持続性を高める必要を感じ、投資も予定しているが、十分に対応策を考え切れていないとのところにあります。

それに対して、Capgeminiは7つの対応力強化を図る必要を提言しますが、現状では7つすべてに十分に対応できているのはわずか4%の企業のみとしています。

それでは、どのような対応力の強化が必要なのでしょうか。

1).緊急時対応計画の立案(Contingency Planning) [対応済は56%]
2).ローカル化/調達地域見直し検討(Localization) [対応済は54%]
3).サプライヤー、生産拠点、輸送手段の多様化検討(Diversification) [対応済は42%]
4).持続可能性(Sustainability)[対応済は30%]
 ⇒新コロナによる断絶からは離れますが、今後の重要テーマとして取り上げています
5).対応の俊敏さ改善(Agility)[対応済は30%]
 ⇒生産ライン再編、内外製変更の判断などの事業形態変更も含む俊敏なアクション
6).End-to-Endでのコストの透明性(End-to-End Cost Transparency)[対応済は21%]
 ⇒調達地毎での原料コストの差異など、明細検討に資する様々なコストの透明性確保
7).サプライチェーンのデータ見える化/可視化の向上(Visibility)[対応済は9%]

部門またぎ、あるいは全社視点での対応が必要になるものほど、対応済の比率が低下しています。
このような状況に対し、以下の検討ポイントでの実施が提案されています。
1. サプライチェーン・レジリエンス戦略の確立
そのためには...
・サプライチェーン回復力(レジリエンス)の現状レベルの測定
・サプライチェーンを見渡した所要コストの検知から、様々な対策代替案を比較し決定
・事業・製品毎の重要性に基づき、重点領域から製品ライフサイクル全体への対策の浸透

2.断絶・混乱の被害状況を想定把握できる能力の向上
そのためには...
・エンドツーエンドにサプライチェーンを可視化できるプロセスとツールの整備
・サプライチェーンモニタリング項目(リスク要因)の不足部分の拡充
・リスクシミュレーションとシナリオプランニング機能の投資・育成
・ 事業継続計画(BCP)の定期的なテストと改訂の仕組み・体制を確立

3.断絶・混乱への対応力の向上
そのためには...
・サプライヤーと生産拠点の段階的多様化
・消費地近接地域への事業オペレーション移転
・分析機能を活用した顧客軸でのサプライチェーンプランニングに注力
・主要原材料の代替品探索の研究開発の実施
・サプライチェーンのスキルギャップを明確化と解決作の実施

4.断絶・混乱からの迅速回復できる能力の向上
・設計・製造プロセスの標準化、材料や部品の標準化を図り、対応の俊敏性を向上
・業務連携とデータ共有を通じて、エコシステムパートナーとの強固な関係構築

次の記事でデロイトのレポートを採り上げますが、今後ポストコロナを見据えた有益なレポートが次々と出てくることが予想されます。それらをうまく活用して、自社にうまく役立てるのが重要にな時期になってきたと思われます。