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富士通がヨーロッパでの購買改革の結果で得た3つの教訓-CIPS(Supply Management) (2021-03-08)

3月4 日にオンライン開催されたコンファレンス「eWorld Procurement & Supply 2021」の基調講演(Keynote)は、富士通欧州地区CPOとして、そして間接材購買のグローバルトップとして購買改革を推進したClive Rees氏による「グローバル購買部門への移行-良かったこと、悪かったこと、そしてグローバル(Moving to a Global Procurement Function – The Good, the Bad and the Global)」というタイトルで行われました。

富士通の欧州地区では、地域毎分断常態だった購買体制を統一するプロジェクトが2014年~2018年に実施され、2019年以降2年間、一元体制による購買部門の運営が行われてきました。今回の講演では、実際にこのようなグローバル購買体制に移行してみたらどうだったかという「学び」が3つ語られています。
(※富士通欧州地区購買一元化については、下記のIt's購買系記事も参照)

学び1: チーム内の多様性を受け入れる必要があった
最初に強調されたのが、「グローバルに物事を統合しようとする複雑さを決して過小評価してはならない」ということで、多くの異なる文化、異なる国籍、異なる立ち位置の個々の組織をまとめるのは、本当に大変だったとのことです。同じメッセージを発しても、世界のさまざまな地域で同じように受け取られるわけではないとの指摘がされています。

学び2: 何でもかんでもグローバル統一にはするな
その上で、一律にすべてを統一すべきではない。例えば、品目カテゴリー管理をすべてグローバル一律に行うのはどうかと思うとする点です。他社においても、グローバルに一括対応できるサプライヤがいない、あるいは地域特有の無視できない有力サプライヤーがいる、例えばビジネストラベルなどの配慮は他社でも行われていると思いますが、同様の状況が生じているようです。一方で、ソフトウェアやハードウェアのようにグローバル統一をすすめるべき品目があるため、これらの特徴を見極めることの重要性が指摘されます。

学び3: 社内ベストプラクティスの確認と共有
富士通では「物事をシンプルに保つ」「成功のための礎となるものを理解する」を調達ビジョン目標としているとのことですが、各国多様性の中からの成功事例をを共有し、組織での学びとして全体展開していくことが重要であることを3つ目に挙げています。

英国では、BTのグループ購買機能会社「BT Sourced」が大きな話題を集めていますが、さらに富士通の事例にも注目が集まっているようです。なお、富士通の取り組みは、購入金額、グローバル組織図、ミッションと目標などを、下記の「富士通UKの購買の取り組みのサプライヤー向け紹介Webinar資料」からもうかがい知ることができます。

参考)
富士通UKの購買の取り組みのサプライヤー向け紹介Webinar資料(2019年12月4日)
https://www.fujitsu.com/uk/imagesgig5/Fujitsu-and-SME-Collaboration-Webinar.pdf

Getting to a global procurement function with Fujitsu at eworld 2021-Spend Matters (2021年1月28日)
https://spendmatters.com/2021/01/28/getting-to-a-global-procurement-function-with-fujitsu-at-eworld-2021/

Dr Clive Reesのプロファイル
https://www.fujitsu.com/uk/about/local/smes/who-are-we/

富士通ヨーロッパでの購買改革をどう進めたか、実施したCPOにインタビュー-Spend Metters UK (2017年1月26日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/1399165263448047