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前例なき2020年から得られた10個の教訓/気づきと2021年に適応性を発揮していくための方策-APQC (2021-03-09)

■前例のない年だった2020年に得た10個の教訓
APQCは2020年12月9日に「2020年の振り返りWebinar」を開催するとともに、その結果を整理したブログ記事を12月6日に発表しました。その内容をまとめてみます。

記事では2020年という年を最初に考えています。まず2020年を表現するならばどのような単語になるのだろうか-Webinar出席者41%は「前例のない(Unprecedented)」を選んだとのことです。
一方で、サプライチェーンがこれほど話題になった年は無かった(Google検索トレンドでは2020年3月15日にSupply Chainが急増)とも示しています。

ではそのような年から得られた教訓/気づきは何なのか。次の4つが挙げられます。
1.変化は想像以上に急激に起こせる(例:リモートワークはあっと言う間に普及した)
2.在庫量を正確に可視化できている重要性がわかった
3.社内やサプライヤーとの適切なコミュニケーションができねば敏捷対応は覚束ない
4.イノベーションは「あると助かる(Nice-to-have)」程度のものではない
5.犯罪行為(サイバー犯罪など)は危機の状況などお構いなしに発生する
6.リモートにも対応できるような積極的なコラボレーション実施が必要
7.リモートワークは困難という先入観は間違っていた
8.結果が辛いものであっても、業績測定を止めてはいけない
9.サプライチェーンの短縮化が進んでいる
10.スピードと透明性にはテクノロジーが不可欠

その上で、2021年の取り組みを表す単語として「適応性(adaptable)」が出席者の一位となったとのことです。

■2021年の課題
この結果も受けて、2021年にどう取り組んでいくかのレポート「2021 Supply Chain Challenges and Priorities」が2月20日に発表されました。レポートの前半では2020年をデータで振り返っています。

その上で12個の2021年の重要テーマ、それを達成する障害事項、予算増減予測、サプライチェーン全体を見渡しての重要領域などが記述されています。

=2021~2023年の重要取り組みテーマ=
最重要1:RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
最重要2:ESG対応
最重要3:ブロックチェーン
最重要4:サプライチェーンのデジタル化
最重要5:貿易取引/関税の不確実さへの対応
最重要6:AI/コグニティブコンピューティング
重要1:クラウドサービス
重要2:世界各地でのCOVID-19パンデミック対応
重要3:リモート在宅ワーク対応
重要4:モバイルテクノロジー
重要5:ビッグデータ分析・活用
重要6:業務プロセス標準化

=達成するための障害事項=
・変えねばならないことがあまりにも多すぎる
・社内外コラボレーション促進サポートの不足
・関与できる労働力の制約
・変化することに対する法規制による制約
・コミュニケーション不全
・テクノロジー面の制約
・知識不足
・ガバナンス不足

しかし危機により関心が高まったことで予算は増額され、サプライチェーン(需給)計画立案とともに、コスト削減ニーズの高まりから購買分野に注目が集まるとしています。

※APQCは各種情報にアクセスするために、無料の会員登録が必要ですが、興味深い情報が得られます。

参考)
2021年のサプライチェーンの課題と重要対策レポート
(2021 Supply Chain Challenges and Priorities: Survey Report)
https://www.apqc.org/resource-library/resource-listing/2021-supply-chain-challenges-and-priorities-survey-report

2020年振り返りWebinarプレゼンテーション資料
2020 Supply Chains: Are We Done Yet? APQC Research Recap
https://www.apqc.org/resource-library/resource-listing/2020-supply-chains-are-we-done-yet-apqc-research-recap-0