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トヨタが鉄鋼支給材交渉を一部実施せず、サプライヤーが鉄鋼メーカーと直接交渉か?-ブルームバーグ (2021-03-15)

ブルームバーグは「公表されていない情報だとして匿名を条件に話した2人の関係者」より聞いた話として、3月9日に報じた内容ですが、上期(2021年4~9月)の支給材価格交渉が一部の取引先と実施されず、トヨタが交渉した価格(支給価格)で部品サプライヤーが購入できる従来の仕組みが使えない鋼材に対し、個々の部品サプライヤーが鉄鋼メーカーと個別に価格交渉するに至っているとのこと。量が少ない部品サプライヤーにとっては、不利な価格交渉を強いられることになります。

実施理由や下期もこれが継続するかは不明と記事はしています。また、これまでも支給材交渉対象外となって特別な特殊鋼などを誤認している可能性もあるようにも思え、まだはっきりしないところがあります。
またサプライヤーも含めて一括でコスト削減を進めるトヨタ流からは逸脱する動きにも思えます。
とはいえ、記事発信元のブルームバーグ側も、そのあたりには通じているはずですから、なんらかの根拠は取れているものと思います。不明確ですが、興味深い記事に思えます。

一方で、他業界での鋼材購入価格交渉の目処になっていたトヨタの鋼材支給価格が不明確になったことで、他業界での鋼材購交渉にこれまでの価格基準を使えなくなる部分が出てきそうなのは、記事の通りと思えます。

東日本大震災以降の動向とも関連付けて半導体不足への対応を称賛する記事も目にするトヨタですが、少し不可解に思えます。

参考)
焦点:トヨタ、半導体不足で発揮した抵抗力 震災10年 供給網寸断の教訓-ロイター(2021年3月9日)
https://jp.reuters.com/article/toyota-chip-supply-chain-idJPKBN2B101L