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東レ、東洋紡が出荷免責宣言、ナイロン樹脂も原料不足で供給混乱、半年以上解消しない可能性も-日本経済新聞 (2021-03-22)

「半導体の次はエアバッグか」と3月18日にブルームバーグが報じたように、原料の調達困難から、エアバックなどの原料である「ナイロン66(PA66)」の供給について、東レ(国内第2位)や東洋紡が契約先に対して「フォースマジュール(不可抗力による出荷免責)」を出したとのことです。さらにナイロン66は住宅資材(配管など)や医療分野でも使われており、影響の拡大も懸念されています。

原因は、石油産業集積地のテキサス州に展開する原料メーカーが、寒波による大規模停電や設備破損により、生産停止に陥って、現在も正常稼働に戻れていないことに加えて、港湾での出荷混乱も相まって混乱に拍車が掛かっているとしています。

問題になっている原料のヘキサメチレンジアミン(HMDA)は、2018年にも不足した経緯があり、当時から2023年頃まで供給不安定が見込まれていました。それに加えてのため、供給逼迫は6ヶ月以上に長期化するとの見込みが出ています。

そしてこの状況に対して、ブルームバーグの記事では、アナリストコメントとして「サプライヤーが潤沢に在庫を持って、自動車会社が好きな時に好きなだけローコストで調達するというモデルが変化する可能性」を指摘しています。

参考)
東レ、ナイロン樹脂で出荷免責宣言 米寒波で原料不足-日本経済新聞(2021年3月19日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ192ND0Z10C21A3000000/

半導体の次はエアバッグか、自動車部品の供給網に混乱広がる-ブルームバーグ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-18/QQ5571DWRGGD01

世界的なナイロン不足は2023年まで継続、代替材料の提案強化-MONOist(2019年6月3日)
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1906/03/news047.html