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業務作業だけでは不十分-戦略的に"仕掛ける"方向に工数シフトする購買部門-Jaggaer, Kearney (2021-04-12) | ||
購買部門の業務工数分布はどのようになっているのだろうか、それに関する調査結果がJaggearとカーニー(旧A.T.カーニー)の2社から発表されました。 具体的な方策提案にまで至れていないレポート内容ですが、平均的な日本企業も「戦略業務3割弱、業務オペレーション7割」の業務工数分布と言われる状況下、戦略業務にどう工数シフトするかは今後の課題です。 ■敢えて「購買がますます戦略的役割に」を指摘したJaggaer 大手システムベンダーJaggaer社が、購買上級職290人を対象に昨年実施した、4年ぶりの大規模調査「2020 Procurement Performance Excellence (PPE) Survey」は前回同様に購買業務のデジタル化がレポートの主内容です。 しかし今回の変化点は、わざわざ「組織観点: 購買がますます戦略的になっている(Organizations View: Procurement as Increasingly Strategic)」という案内ページが設けられたこと。 そしてレポートは、業務工数について以下を指摘します。 ・購買部門の購買業務工数の23%が戦略業務、77%が業務オペレーションの調査結果 ・ゆえに現在の一般的な購買部門は、業務オペレーション主体といえる ・しかし、これらの定型的な反復マニュアル作業は、今後デジタルで置換されるだろう ・そうなったときに、戦略的で高付加価値業務を、購買部門が担うことが不可避である ・ベストプラクティスは、既に3分の2の工数を戦略業務に費やしている 参考) 調査結果レポートのダウンロードページ: https://www.jaggaer.com/download/whitepaper/procurement-performance-excellence-report/ 調査結果紹介: Procurement 'heavily weighted towards operational functions'-Supply Management(CIPS) https://www.cips.org/supply-management/news/2021/march/procurement-heavily-weighted-towards-operational-functions/ ■カーニー(旧A.T.カーニー)は、より詳細な購買業務工数の分布比率の調査サマリーを発表 さらに詳細な購買部門の業務工数分布結果を発表したのが、コンサルティング会社のカーニー(旧A.T.カーニー)です。昨年の業務パフォーマンス調査(the 2020 Assessment of Excellence in Procurement Survey)では、戦略業務(Strategic Procurement)、管理・分析業務(Enabling procurement)、業務オペレーション(Transactional procurement)に区分して結果が示されました。 トップ企業は戦略60~70%,管理・分析10~15%、業務オペレーション20~35%の工数分布です。一方でトップ以外は戦略40~50%、管理・分析10~15%、業務オペレーション35~45%。トップ企業の工数比率はJaggaetと同等の結果です(トップ以外の戦略工数はやや多めです)。 加えて、9ページの購買部門の組織カルチャーの方向性の図(内容は以下)も、興味深いです。 =優れた購買部門になるには購買部門の組織文化(既成概念)を以下に変えることが必要= ・重点:買うという役割から、サードパーティの経済価値を総合的に引き出す役割に ・品目管理:単一カテゴリーごとの専門家から、複数品目横断の解決策立案まで担当 ・分析:都度の要求対応として分析する姿勢から、自発的に洞察を用意している戦略家へ ・対サプライヤー:サプライヤーの実績管理から、バリューチェン横断調整の実施を視野に ・業績目標:コスト節減と安定供給から、バランスドスコアカード(BSC)の包括的目標対応 ・ステークホルダーとの関係:業務作業の命じ手から、協働パートナー ・ロケーション:本社オフィスから、どこへでも 参考) The power of third-party economics: Results from the 2020 Assessment of Excellence in Procurement Surveyレポート(2020年9月25日)[工数分布はレポートの7ページ] https://www.kearney.com/procurement/article/?/a/the-power-of-third-party-economics |