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目先のコスト低減だけでなく、長期的なビジネス貢献も考えてみようよ-Mckinsey(2021-05-31)

安定確保と価格高騰への対応が現在の購買部門の急務ではありますが、コンサルティング会社のマッキンゼーが「かつてなく高まる短期的なコスト削減救済を越えて、長期的なビジネス貢献を行うにはどうしたらよいか」の論考「Now is the time for procurement to lead value capture」を2月25日に発表しました。

平均的な購買部門は優先度が高い購買品目(カテゴリー)での短期成果達成に終始しているが、果たしてそれで良いのだろうか。長期的かつ戦略的な取り組みを軽視している企業があまりにも多いのではないか、との問題意識がその根底にあります。

もちろんパンデミックに起因する現在の状況を蔑ろにすることは求めていません。しかし損益を改善するための短期的な活動と、組織力(レジリエンス)を高めるための長期的な活動のバランスをとる、全体的なアプローチが必要なのではないかと主張します。そしてそのためには、「行動を起こすだけでなく、一歩下がって、調達がどのようにビジネスと関わっているかについて、異なる視点を採用することが必要」ではと、投げかけています。

そして、そのためには次を考えてみたらどうだろうかと提言しています。
1).品目カテゴリー個々だけでなく、支出を全体的に俯瞰してやり方を考える (Take a full-scale approach to spend optimization)
2).デジタルで意思決定を加速する (Use digital to accelerate decision making)
3).組織でデジタル能力を高める/デジタル人材を育成する(Build digital capabilities across the organization)
4).コスト以外の納期・品質・取引条件などの根源的な課題の解決(Address structural issues)
5).自社事業部門やサプライヤーとの信頼関係の構築(Build trust with the business and with suppliers)

目先はコロナ禍から生じた混乱に対応していく必要がありますが、それが落ち着いた先にも目を向けていく必要が訴えられています。