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サプライヤーでの最低賃金引き上げ反映に言及した「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」を公正取引委員会が発表(2021-09-13)

9月は「価格交渉促進月間」とされ、適正価格交渉が促進されていますが、さらに公正取引委員会から9月8日に「最低賃金の引上げ等に伴う不当なしわ寄せ防止に向けた中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」が発表されました。

報道資料では、8月25日のワーキンググループで,最低賃金の改定を含む労務費や原材料費等の上昇などが下請価格に適切に反映されることを促すべく,9月に関係省庁間も連携し「価格交渉促進月間」を実施する旨が、まず示されました。

その価格交渉月間の一環の取り組みとして、公正取引委員会では、最低賃金の引上げ等に伴い,買いたたき,減額,支払遅延などといった中小事業者等への不当なしわ寄せが生じないように取引の公正化をすすめる「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」を取りまとめ、対策の強化に取り組むとされました。サプライヤーの最低賃金引き上げ反映の観点を、価格交渉の際には考慮することを求めています。

取り組みとしては、以下があげられています。
第1下請法等の執行強化
1.下請法違反被疑事実等に係る情報収集の取組強化
2.最低賃金引上げ等を勘案しない下請代金の不当な設定を含む下請法違反行為等への厳正な対処
第2 相談対応の強化
1.不当なしわ寄せに関する下請相談窓口の設置
2.中小事業者等のためのオンライン相談会の実施
第3 不当なしわ寄せ防止に向けた普及啓発活動の拡充・強化
1.「買いたたき」に関する下請法上の考え方の明示及び周知徹底
2.「下請取引適正化推進月間」における周知活動の拡充・強化

話は変わりますが、サプライヤーでの労働関連として、外国人技能実習生の就労状況を労働基準監督署が立ち入り調査したところ、約7割で労働基準法違反などの不適切事例が確認されたとのことです。外国人技能実習生については、米国国務省の「2021年人身取引報告書」でも名指しされてもいます。国内でも、サプライヤーでの就労状況への買い手企業の関わり方を考えるべきかもしれません。

参考)
(令和3年9月8日)最低賃金の引上げ等に伴う不当なしわ寄せ防止に向けた中小事業者等取引公正化推進アクションプラン-公正取引委員会 (2021年9月8日)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2021/sep/210908.html

公取委、中小企業へのしわ寄せ防止にアクションプラン公表 最低賃金引き上げ控え-産経新聞(2021年9月8日)
https://www.sankei.com/article/20210908-BNCKMYQ7L5N23MZSGHMFHLYOQY/

外国人技能実習生の事業所 約70%で違反や違法な時間外労働-NHK (2021年9月12日)
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210912/1000070108.html

外国人技能実習生の実習実施者に対する令和2年の監督指導、送検等の状況を公表します-厚生労働省(2021年8月27日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20618.html

2021年人身取引報告書(日本に関する部分)(翻訳版)-米国国務省(2021年7月29日)
https://jp.usembassy.gov/ja/trafficking-in-persons-report-2021-japan-ja/