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日立が50年度目標でサプライチェーン温室効果ガス排出量をゼロに、トヨタやBMWの自動車業界でもサプライヤーとのの取り組みが進む-日本経済新聞他(2021-09-21)

パリ協定よりも前倒しの2050年カーボンニュートラルを日本政府も打ち出しましたが、様々な業界や企業での計画前倒しの動き(参考事例)が出てくると思います。

■日立製作所
日立製作所が、サプライヤーも含めた供給(上流)サプライチェーンも含めたサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を2050年にゼロ(カーボンニュートラル)にする目標を発表したことについて、9月13日の日本経済新聞が「国内の製造業大手が供給網全体を対象とした排出ゼロの目標を打ち立てるのは珍しい」とのコメントを付して報じました。2050年までに排出量の2010年度比で8割削減の従来目標をさらに引き上げたとのこと。そして約3万社のサプライヤーを巻き込んだ取り組みを勧めていくとのことです。そのために、次の対応を進めているとのこと。
・21年度からサプライヤーにCO2の削減計画の策定を要請
・7月に環境配慮調達のガイドライン「日立グループ サステナブル調達ガイドライン」を改訂し、主要取引先約800社(調達額約7割)と中長期計画策定を実施中
・エネルギーの消費量把握のためのシステム(ブロックチェーン技術を採用)も外部企業に提供

参考)
日立グループ サステナブル調達ガイドライン(2021年7月改訂) 日立製作所
https://www.hitachi.co.jp/procurement/csr/index.html

日立製作所、2050年度までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現へ-ZDnet(2021年9月13日)
https://japan.zdnet.com/article/35176597/

日立が2050年度までにCO2実質ゼロ目標 排出抑制、取引先にも要請-SankeiBiz(2021年9月17日)
https://www.sankeibiz.jp/business/news/210917/bsc2109170701003-n1.htm

■トヨタほか自動車業界
日刊工業新聞は8月30日に、トヨタの主要サプライヤーのフタバ産業が、2030年に従来目標の35%減(13年度比)を半減に引き上げる検討を始め、21年度内にも具体的な施策や目標を設定と報じました。施策としては、工場設備エネルギー源の重油などから電気へ切替、生産ライン電力消費を細分把握し無駄の削減、IoT技術活用による工場内物流効率化があがっています。

トヨタが直取サプライヤーのCO2排出量の今年度3%削減を要請することが6月に報じられました。
記事では、2030年度までにアイシンが半減、東海理化が6割削減を目指す(いずれも13年度比)とされています。
また自動車メーカーとしては、BMWの2030年に20%削減(2019年比)への動向も報じられています。

参考)
主要取引先のトヨタに追随、自動車部品メーカー大手が「CO2排出量半減」へ-ニュースイッチ(日刊工業新聞)
https://newswitch.jp/p/28600

トヨタ、直取先サプライヤーに今年度のCO2排出量3%削減を要請、サプライチェーン全体の排出量見える化・削減にも取り組み-日本経済新聞他(2021年6月15日)
https://www.facebook.com/itscobuy/posts/4370136623017548

BMWがパートナー企業と共に目指す「サスティナブル」な未来とは? CO2排出削減2億tに向けてのロードマップ解説-CarWatch (2021年9月7日)
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1349412.html

※温室効果ガス(CO2)排出量削減については、購買部門にとってはこれまで不慣れなものでした。
ゆえに上記には耳慣れない用語が並んでいるかもしれません。その対応に少しでも役に立てばと「購買部門の視点からのサプライチェーンでの温室効果ガス排出削減に関する説明資料の作成材料(Powerpoint, 6.7MB(http://www.co-buy.org/materials/tips_material_source_supplychain_ghg_reductoin.pptx)」を登録しました。
お役に立つようでしたら、ご参照ください。