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購買の世界で次は何が? 2022年への大胆な24個の予測-Procurius他 (2021-12-30) | ||
2022年の予測が英国の購買関連団体ProcuriousとCIPS(Supply Management)から出されました。 この中でより興味を引くのがProcurious。9月と随分早い時期に発表されたものですが、興味深いな内容です。一方で、CIPS(Supply Management)の方も、要点を押さえていると思います(英国特有事情が反映されているところもあります)。 ■2022年の大胆な24個の予測 (Procurious) 購買関係者の集まりのProcuriousは、9月21日に24個の大胆な予測(24 Bold Predictions for 2022)を、戦略、情報技術、職場、キャリアの4つにグループ化して発表しました。 購買戦略(Procurement Strategy) 1.中国からの供給優位は変わらないが、地域的に多様化していく (China will dominate, but we’ll diversify regions) 2.本社一元集中から地理的な業務分散が進む(Time to go local) 3.ジャストインタイムは死んだ('Just in time' is dead) 4.サプライヤーとの共益リレーションシップが重要(Relationships are key) 5.サステナビリティはもはや流行り言葉にとどまらない(Sustainability isn’t a buzzword) 6.倫理調達がコアコンピテンシーとなる(Ethical sourcing becomes a core competency) 7.見える化は依然として重要事項(Visibility remains key) 8.出荷遅延は頭痛の種だ(Shipping delays will cause headaches) 購買情報技術(Procurement Technology) 9.情報技術の再点検-必須技術の有無が業務を決める(Expect a technology overhaul) 10.業務自動化は主流になる-戦略業務シフトが進む(Automation will become mainstream) 11.情報技術が最良のリスク最小化策(Technology is our best risk minimiser) 12.データがすべてを統べる(Data rules all) 13.サイバー犯罪との闘い(Fighting cyber criminals) 14.購買スタッフの将来はITスキル次第だ(Your future in procurement depends on tech skills) 購買の職場環境(Procurement Workplace) 15.経営層の購買への期待値がさらに高まる(Senior leadership will expect more from procurement) 16.在宅勤務は続くのか?(Working from home forever?) 17.長大でかさばるRFPはもうやめるべき(Ditch the bulky RFPs) 18.すべてに適用できる契約雛型はもう存在しない(No more one-size-fits-all contract templates) 購買スタッフのキャリア(Procurement Career) 19.購買部門が新人の人気に(Procurement will attract new people) 20.しかしリモートワークが続くと配属された新人には酷(Starting a job will be hard) 21.売り手優位の購買職場状況は続く(Employees will continue to have the power) 22.しかしそれはいつまでも続かない(But that power won’t last forever) 23.単に優秀なだけでは昇進に不十分(Being good isn’t good enough) 24.あなた自身が今まさに未来を作り上げられる(The future is now, and you can define it) ■供給リスクマネジメントの主要活動 (Procurious) 加えて、12月2日には「供給リスクマネジメントの主要活動(What’s on the Radar for Supply Risk Management in 2022?)」も発表されました。2022年に取られるであろう4つのリスクマネジメントのアクションを、以下のように予想しています。 1. 複数のリスク要因をより広い視野で捉える(Taking a broader view of multiple risk factors) サプライヤーの状況を複数の要因で把握し、分析することで多元的な要素から供給リスクに備える能力の増強が進む 2.新規サプライヤー評価方法の拡充と組織的標準化/統一化 (Consistency in new supplier evaluation) すべてのサプライヤーを、組織的に統一された方法で一貫して、多次元の項目で徹底的に審査することが、場合によってはAIの力を借りて、強化される。 3.直取先より先のサプライヤーの状況把握強化(Diving deeper into supplier sub-tier relationships) 4.モニタリングの常態化と繰り返し評価の実施(Continuous monitoring and ongoing evaluation) ■主要な購買業務トレンド(CIPS(Supply Management)) 一方で、英国の購買団体CIPSからは、12月21日に「2022年の主要な購買業務トレンド(key procurement trends for 2022)」として、次の5つが示されました。 1).リスクマネジメントのソーシング時点からの早期実施(Prioritising risk management) 発注段階からではなく、見積取得段階からサプライヤーリスクを広範囲に判断し、かつ取引リスクの常時モニタリングが進む 2).ITソリューションへの投資(Investing in IT solutions) 自社のITが課題に対応していることを確認し、不足分への重点投資が進む 3).人材の拡充(Maximising talent) 求人不足で採用困難の社内人材依存だけでなく、社外アウトソーシングで必要人材を確保 4).サプライチェーンの可視化(Visibility in supply chains) サプライチェーンマッピングで経路を明確化したうえで、特にグローバルなサプライチェーンを見渡せる能力の見直し強化が進む 5) 主役になる調達(Procurement taking centre stage) パンデミックとその後の混乱によって、サプライチェーンが経営課題になった 参考) What’s on the Radar for Supply Risk Management in 2022?‐Procurious (2021年12月2日) https://www.procurious.com/procurement-news/whats-on-radar-supply-risk-management-in-2022 What are the key procurement trends for 2022?‐CIPS(Supply Management) (2021年12月21日) https://www.cips.org/supply-management/news/2021/december/what-are-the-key-procurement-trends-for-2022/ |